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世界のCO2濃度、3月末時点で観測史上初400ppm突破 温暖化の危険水準高まる(各紙)

2015-05-07 17:21:28

温暖化加速の元凶は石炭火力発電所
温暖化加速の元凶は石炭火力発電所
温暖化加速の元凶は石炭火力発電所


各紙の報道によると、米海洋大気局(NOAA)は6日、今年3月時点で、世界の大気中の二酸化炭素(CO2)平均濃度が観測史上初めて、地球温暖化の危険水準とされる400ppm(ppmは100万分の1)を超えたと発表した。

地球上のCO2濃度はこれまでも、2013年5月にハワイのマウナロア観測所で400ppm超を記録していたが、一部の観測データにとどまらず、今回は世界40カ所の大気サンプルを分析した結果で、いわば平均的に危険水域を突破したたことになる。

 

CO2の濃度が400ppmを恒常的に上回るということは、温暖化現象が世界規模で深刻化していることを意味する。 NOAAは、人間活動の影響を受けにくい離島や海上などの大気サンプルも含めて分析した。

 

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は温暖化の被害を避けるにはCO2やメタンなどの温暖化ガス(GHG)濃度を合計で450ppmまでに抑える必要があるとしており、残りは50ppmしかないことになる。

 

NOAAの研究者は「産業革命後、人間が化石燃料を燃やしたことでCO2濃度は120ppm以上増えた」と指摘している。国連では年末にパリで開くCOP21の会議で2020年以降2030年までの国際的な排出削減の新しいフレームワークづくりで合意する見通しだが、現在、各国が公表している削減目標を合計すると、CO2濃度の上昇を食い止めるには不十分で、一段の削減協調が求められる可能性が高まってきた。