HOME |2020年以降の温室効果ガス削減目標 各国合計しても気温上昇2度C未満抑制は困難(RIEF) |

2020年以降の温室効果ガス削減目標 各国合計しても気温上昇2度C未満抑制は困難(RIEF)

2015-09-03 16:05:03

CATキャプチャ

 日本をはじめ、世界各国が公表している2020年以降の温室効果ガス削減目標を足し合わせても、気温上昇を2℃未満にとどめるという国際目標は達成できないとの分析結果を、科学者らで構成する国際的非政府組織(NGO)「クライメート・アクション・トラッカー(CAT)」が2日、発表した。

 分析結果はドイツのボンで開いている国連気候変動懐疑(ADP2.10)で公表された。2020 年以降の地球温暖化対策の枠組みは、年末にパリで開く国連気候変動枠組み条約第21回(COP21)締約国会議で合意する見通しで、1日までに、中国、米国など世界28カ国と1地域が自主的なCO2削減目標(INDCs)を目標を出した。INDCsの排出量は世界全体の65%を占める。

 

 CATはこのうち、中国、米国、欧州などINDCsの64.5%の排出量を占める15カ国・地域の公表目標と、その実現を担保するための対策等を検証した。その結果、これらの主要排出国の目標をすべて合計しても、国際目標の2℃上昇にとどめるためのCO2削減量と比べて、2025年時点で120億~150億トン、2030年時点では170億~210億トンも足りず、その分の追加削減が必要としている。

ondanka2キャプチャ

 このままの各国の目標を足し合わせただけの国際合意では、気温は今世紀末には3℃前後の上昇が避けられず、気候変動の進行を食い止めるのは難しいという。

 

 特に、日本を含む、カナダ、豪州など7カ国の削減目標を、目標の低さだけでなく、目標達成のための政策との整合性という点で「不十分」と指摘した。逆にEUと中国については目標と政策の一致が例外的にあると評価、超過達成の可能性も指摘した。

 

コルネリス・ブロック教授は「各国が公約した現在の政策は不十分といわざるを得ない。パリのCOP21では、国際目標に照らして目標を再検討し、より前向きな対策を積み上げることが最優先されるべきだ」と述べた。

 

 インド、ブラジル、イラン、インドネシアなどの国々はINDCsを提出していない。

 

http://climateactiontracker.org/