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2017年の世界の大気中CO2濃度は過去最高。気温は3年連続で高温状態。海面上昇は25年間で7.7cm。米海洋大気庁(NOAA)が報告(RIEF)

2018-08-02 13:22:41

NOAA1キャプチャ

 米海洋大気庁(NOAA)は1日、地球温暖化に大きな影響を及ぼす二酸化炭素(CO2)の2017年平均の大気中濃度が過去最高だったと公表した。世界の平均気温は1981-2010年の平均値を0.38-0.48℃上回り、15年から3年連続で高温状態を記録した。海面上昇は1993年から世界全体で7.7cmの上昇などとなった。NOAAは「温暖化が進行していることを示している」と指摘した。

 NOAAの調査は、世界65カ国の500人以上の科学者が協力して、グローバルなデータを集積・分析したもの。今回のデータから気候変動による異常気象の進展が明瞭に浮き上がった。すでに世界各地で熱波や超高温が続いている2018年はさらに温暖化の加速が懸念される。

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 調査によると、17年の世界全体の平均CO2濃度は405PPM(1PPMは100万分の1)で、これまでの38年間の実測と、80万年に及ぶ氷河の分析データの記録を上回り、過去最高だった16年を2.2PPM上回った。国連などの指摘では、深刻な温暖化影響を避けるには、420PPM程度に抑えることが必要とされており、ジリジリと上限に近づいている。

 海面上昇は1993年の平均から7.7㎝の上昇が観測された。これは過去最高で、10年単位で3.1cm、海がせりあがっていることが立証された。また世界の海洋の上部2300フィートでは、熱エネルギーの高いレベルでの蓄積が引き続き進んでいる。

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  気温の上昇は2016年が過去最高で、次いで15年、今回の17年は3番目だが、この3年間に高温状態が続いていることを示す。いずれも、1800年代後半以降、最高となっている。強力なエルニーニョ現象が起きなかった年としては最も高温だったという。

 海面付近の気温は最高値を記録した16年より少し下がったが、NOAAは長期的な上昇トレンドは変わっていない、と指摘している。

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 気温の上昇による干害は17年初めにいったん減少したが、その後、年後半には年平均を上回る状態になった。北極圏の海氷は最大状態の場合で、過去38年間でもっとも少ない面積しかカバーできなかった。17年9月の海氷は、長期平均の25%少ないレベルとなった。

 南極の氷も1981年-2010年平均より大きく減り、17年3月1日には、同地域の海氷は81万1000平方㍄(約210万㎢)で、1978年に衛星観測が開始されて以来、最小の記録となった。

 NOAA4キャプチャ

 異常気象も世界各地で頻発した。日本でも17年7月に福岡県朝倉市で1時間に129.5mmの降水量を観測し、川の氾濫や土砂災害が発生した、と紹介した。

http://www.noaa.gov/news/2017-was-one-of-three-warmest-years-on-record-international-report-confirms