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年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)。新たに2件のESG指数を採用。外国株の総合型と、女性活躍型。ESG指数での運用総額合計で7件運用総額約7兆円に(RIEF)

2020-12-19 22:10:31

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  年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は18日、新たにESG評価を重視した外国株指数を2件選定、合計で1兆3000億円の運用を始めたと発表した。GPIFはすでに5つの指数運用を展開しており、今回の運用分を合わせると合計で、ESG指数運用総額は約7兆円となる。

 

 今回指数会社に対して、ESG 総合指数とダイバーシティ指数の運用を募集し、ESG 総合型ではMSCI ACWI ESG ユニバーサル指数を、 女性活躍に焦点を合わせたテーマ型ではMorningstarのジェンダー・ダイバーシティ指数(愛称:GenDi)を選定した。いずれも外国株式を対象としたパッシブ運用。過去5年間のトータルリターンは、前者が11.07%、後者は同7.49%となっている。

 

 GPIFは2017年にESG指数を募集、FTSE RussellとMSCIが算出するESGの総合型とテーマ型の株式指数3件を選定したほか、18年には温室効果ガス排出量に焦点を合わせたカーボンエフィシェンと7指数2件を追加している。今回の2件の追加で、インデックス運用額は合計7件、運用総額約7兆円となる。

 

 7件の指数のうち、5件は外国株式、2件は国内株式での運用指数となっている。2019年からは、各インデックスの情報収集を元に、イン デックスに関する情報を常時受け付ける「インデック ス・ポスティング」制度を導入している。

 

 各指数の選定以来、追加的な配分及び株価上昇によって、ESG指数への投資金額は着実に増 加している。最初に選定した3指数は投資開始当初時は合計1兆円、18年に採用したカーボン・エフィシェ ント2指数は同1.2兆円投資額だったが、現在は5指数合計で約5.7兆円に増加しているという。

 

 今回、新たに2件を選定するに際しての評価ポイントは①指数のウエイト付けや銘柄選定で、ESG評価が重視されている②ESG情報の開示促進が期待される(公表情報に基づく評価)③評価手法が開示され、企業との対話に前向きな指数会社・ESG評価会社である④評価対象のユニバースが可能な限り広い⑤ESG 評価会社及び指数会社のガバナンスや利益相反管理の体制が整っている、の5点をあげている。

 

 宮園理事長は「今回の外国株式対象のESG総合指数の採用により、GPIFの株式運用において、国 内・外国を問わずESG全般を考慮に入れた投資が行われることとなった。実証研究によると、ダイバーシティに富む企業は優れたパフォーマンスを上げる可能性があるとされており、今回の2指数は、投資先及び市場全体の持続 的成長による長期的な収益の確保を志向する GPIF の考え方に沿ったものと評価している」とコメントしている。

 

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https://www.gpif.go.jp/investment/esg_selection03_JP.pdf

https://www.gpif.go.jp/investment/GPIF_ESGReport_FY2019_J.pdf