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気仙沼・大島のカキ漁師 再起へ「1口オーナー制」協力募る(河北新報) これからカキがおいしからね。皆で支えよう!

2012-11-14 12:17:20

養殖いかだの復旧作業に励む小松さん(右)
東日本大震災による被害から再起を期す宮城県気仙沼市の若手カキ漁師が1口オーナーを募っている。種ガキやいかだを組む資材、処理場の再建費用などに充てる。「オーナーとの絆を大事にして、震災前より一歩前に進みたい」と協力を呼び掛けている。

 

養殖いかだの復旧作業に励む小松さん(右)


1口オーナーを募集しているのは、同市大島の小松武さん(37)。会社員生活を経て8年前に古里に戻り、父政行さん(67)とカキやホタテを生産してきた。養殖施設や自宅は津波にのまれ、作業船1隻だけが残った。家族6人で島内の仮設住宅に暮らす。
 昨年11月、養殖再開に向け作業を始めたが、制度の壁が資金確保のネックとなった。必要経費の9割が得られる国の補助事業は、漁協系統への出荷が基本となる。小松さん親子は独自の販路を開拓し、震災前は水揚げの4割ほどを系統外に出荷していた。
 「今まで通り、お客さんとのつながりを大事にしたい」。悩んだ末に補助金は断念し、殻付きカキ20個を送る1口1万円のオーナー制で資金を集めることにした。
 顧客や島を訪れたボランティアらに呼び掛け、200人(計370口)の賛同が得られたが、まだ目標の500人には届いていない。
 小松さんは、大島架橋(2018年度完成予定)を見据え、カキ小屋の運営なども考えている。「オーナーと顔の見える関係を続け、これまで以上に質のいいカキを育てたい」と話す。
 連絡先は0226(28)2025。