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「フィットネスで発電」 英国で新発想のフィットネス・ジム 運動と発電の一石二鳥(CNN)

2012-11-30 10:59:35

トレーニングをすればするほど発電できる
(CNN) 日頃「エクササイズはエネルギーの無駄」と考えている人も、イングランド東部の都市キングストン・アポン・ハルに最近登場したフィットネス・ジムを見れば気が変わるかもしれない。トレーニングマシンを使って運動すればするほど、電力が生まれる仕組みになっている。
トレーニングをすればするほど発電できる
ハル市内の公園に立つ新しいジムは、英国内に350カ所以上の施設を展開するグレート・アウトドア・ジム社が開設した。同社の施設はどこも地元自治体の予算で運営され、住民は無料で利用できるが、発電型の施設はここが初めてだ。


同社幹部のジョージー・ディレイニー氏によると、これまでの発電量は40キロワット時に上る。「人口約5000人の町の消費電力を賄えるだけの発電量が目標だ」「1日に1キロワット時の発電は十分に可能。同じタイプのジムを各地に建設すれば、合計で相当な量のエネルギーが生み出せる」と、同氏は話す。

現時点では施設内の照明を賄う程度だが、将来は余剰電力を売却し、電気料金を抑えることもできるようになる。ディレイニー氏は「欧米人は食事の面でも電力の面でもエネルギーを無駄遣いしている。このような施設を通し、住民がその埋め合わせをするための手段を自治体やコミュニティーに提供するのが、わが社の目的だ」と力を込める。

市当局もこのアイデアを歓迎している。ある地元議員は「私たちが目指すのも同じ方向。住民にはソファでテレビを見ていないで、活動的な生活を心がけてほしい。肥満とともに糖尿病や心臓病が増えているのはハルに限らず、全国的な問題だ」と話す。途上国を含め、世界各地の自治体などからも関心が寄せられているという。

ハルで試験的に導入した設備の費用は約10万ドル(約820万円)。同社では今後、携帯電話の充電などができる3万2000ドルのシステムや、売電が可能な13万ドル前後の大規模ジムといったプランも開発する方針だ。

英インペリアル・カレッジ・ロンドンのリン・ゲ博士は、「途上国にとってはかなり高額かもしれないが、既存の技術を生かした素晴らしい発想だ。サステイナビリティ(持続可能性)の考え方を普及させ、理屈抜きで人々の行動パターンを変えることができる」と称賛している。

 

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