HOME |佐川急便が 乗用車6万台分のCO2を削減 「クライメート・セイバーズ」の取り組みで (WWF) |

佐川急便が 乗用車6万台分のCO2を削減 「クライメート・セイバーズ」の取り組みで (WWF)

2012-11-30 14:56:44

「クライメート・セイバーズ」の年次総会。世界の参加企業が一堂に会して開かれる。日本からも佐川急便、ソニーが参加している
WWFの「クライメート・セイバーズ」に参加する佐川急便株式会社は、このプログラムで掲げた「2012年度までに二酸化炭素(CO2)総排出量を2002年度比で6%削減する」という目標が、達成できる見込みとなったことを発表しました。「クライメート・セイバーズ」は、その業界における地球温暖化対策のトップランナー企業と、WWFが共同で取り組むもので、世界で29社が参加しています。

「クライメート・セイバーズ」の年次総会。世界の参加企業が一堂に会して開かれる。日本からも佐川急便、ソニーが参加している

業界のトップランナーとしての実績が明確に


 



2012年11月26日、SGホールディングスグループの佐川急便株式会社は、「2012年度までに二酸化炭素(CO2)総排出量を2002年度比で6%削減する」という目標が、達成できる見込みとなったことを発表しました。

この目標は、「クライメート・セイバーズ」プログラムに参加する同社が、WWFの助言のもとに、地球温暖化対策の推進リーダーとしてふさわしい意欲的な目標を掲げたものです。

「クライメート・セイバーズ」は、WWFが先進的な温暖化対策を進めているさまざまな企業と共に、温室効果ガスの具体的な削減方法と目標を定め、その実現に取り組むもので、各業界における地球温暖化対策の推進リーダーとして主導的な役割を果たしてもらうことを目指したプログラムになっています。

現在、IBMやコカ・コーラ、ボルボ、ソニーをはじめ、世界全体で合計29社が参加(2012年10月現在)。2003年5月から参加した佐川急便は、日本企業としては初の参加企業で、同時に物流企業としては世界で唯一の「クライメート・セイバーズ」企業となっています。

同社は、天然ガストラック等の積極的導入や、エコ安全ドライブの徹底、トラック輸送を環境負荷の小さい船舶や鉄道に転換する「モーダルシフト」の実現など、積極的な取組みを実施。その結果、2012年までの目標であった「2002年度比で6%の削減」を、1年前倒しで上回りました。

物流業界における温暖化対策の推進リーダーとして


2011年度の佐川急便の排出量は、2002年比で実に7.79%減少しており、2003年度から2011年度までの累積削減量は13.64万トンにのぼります。これは乗用車約6万台が年間で排出するCO2に相当します。

また、佐川急便が「クライメート・セイバーズ」に参加した当初、2002年度(基準年)の排出量は36.66万トンでした。その後の事業の成長により、排出量は39.35万トンに増加する見込みでしたが、同社は逆に、これを33.81万トンに削減することに成功。事業拡大による増加を考慮すると、実質的に約14%の削減を実現しました。

さらに、事業の拡大に伴うM&Aを含めた総排出量も減少しており、自らは排出削減に取り組んでいない事業者でも、佐川急便のシステムに組み込まれれば、着実に排出削減が進むことが示されました。

こうした一連の取り組みは、CO2のみならず、NOx(窒素酸化物)やPM(粒子状物質)の排出の抑制にもつながっており、物流業界における環境配慮の大きな可能性を明らかにしています。

WWFとのパートナーシップは、自社だけで取組みを行う場合に比べ、目標必達意識の向上にくわえ、取組み自体の透明性・信頼性を高めます。NGOからの支持のもとに、温暖化対策の推進リーダーとして活動を行うことにより、企業のブランド・アイデンティティの向上にもつながります。

この佐川急便をはじめ、WWFの「クライメート・セイバーズ」の参加企業は、これまで事業の成長と、温室効果ガスの排出削減とが「両立可能」であることを実証してきました。プログラム参加企業全体が削減してきたCO2は累積で1億トン。同時に各社は、自社の競争力を高めつつ、株主価値を向上させています。

佐川急便では今後も環境負荷の低減をめざした、効率的な輸送モードの開発に取り組むとしており、WWFジャパンもこの取り組みを引き続き支援していきます。

http://www.wwf.or.jp/activities/2012/11/1102630.html