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福島原発 下請け作業員の半数、偽装請負の疑い 東電調査で判明(各紙) 元請けのゼネコンの責任を明確に!

2012-12-04 10:18:24

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各紙の報道によると、東京電力は3日、福島第1原発事故処理作業に従事している下請け作業員のうち、約半数が実際の雇用主とは異なる会社の指示で働く「偽装請負」の疑いがあるとするアンケート結果を発表した。自分の労働条件を書面で明示されていない作業員も約3分の1いた。偽装請負は職業安定法違反であり、税金で支えられている実質国有企業が偽装請負を常態化させているることの政策責任、経営責任を明確にする必要がある。

偽装請負は、職業安定法の違反であるだけでなく、労働基準法では労働条件を書面で明示するよう義務付けているが、多くの労働者が書面を示されていないなど、雇用の基本関係が守られていないことになる。第1原発の廃炉作業を管理する経済産業省資源エネルギー庁は同日、東電に口頭で改善を指示した、というが、エネ庁自体の監督責任はどうなっているのか。原発事故の監督もできず、事故後の処理作業の監督もできない役所が存在する必要はない。

東電のアンケートは、第1原発の元請け企業27社の傘下の下請け企業に勤務する作業員3974人を対象にして、9月20日〜10月18日に実施。回答者は3186人で回答率80.2%だった。このうち、作業の管理員を除く2423人に対して、現場で作業を指示する会社と給料を支払う会社が同じかどうかの質問をしたところ、「同じ」と答えたのは1173人(48.4%)で、「違う」は1160人(47.9%)と、ほぼ二分された。このうち、「違う」との回答先は偽装請負の可能性があることになる。

 雇用主から強要・指示された内容についての質問に対しては、「現場では別会社の指示通りに働け」と言われたという回答が158人。「東電や元請けへの提出書類に、別会社の名前を書け」と指示されたという人も125人いた。仕事内容や場所、賃金などの労働条件について、雇用主から書面で明示されなかったのは全回答者のうち1146人(36%)。198人(6.2%)は、口頭説明もなかった、という。

 時給は、837円以上(71.8%)▽658円以上837円未満(2.8%)▽645円以上658円未満(1%)▽645円未満(1.1%)−−だった。東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は記者会見で「改善すべき状況は現実に存在すると認識している。元請け企業と協力して改善する」と述べた。