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山本太郎議員が国会で初質疑 大臣達に「事故前の基準値に戻せ」と突っ込む 山本議員「事故前は1ベクレル以下が当たり前」「セシウム以外の測定を」(真実を探すブログ)

2013-11-05 22:16:01

yamamototarou110501


11月5日に参議院の山本太郎議員が始めての質疑を行いました。yamamototarou110501
この質疑で山本太郎議員は「事故前の食品測定結果では大半が1ベクレル以下であり、今の基準値はそれよりも遥かに高い100ベクレルです。私はこの基準値をもっともっと引き下げるべきだと思います。」というような、今まで国会議員がスルーしていた食品安全基準値の問題や、福島県で40人以上の甲状腺癌が確認されたこと、他にも原発作業員の労働環境や東電の監視状況等に関して質問をしました。

政府関係者の答弁は時折詰まるような感じになる時もあり、今まで疑問を感じていた事を山本議員がちゃんと言ってくれた事を強く実感できる質疑となっています。既に、質疑の模様はノーカット映像がユーチューブなどで見れるため、時間のある方は是非見てみて下さい。

以下、山本太郎議員の質疑書き起こし。読み易いように、一部省略と文字修正あり。

山本太郎議員
『今日は東電原発事故による食品基準や安全問題、収束に取り組まれている原発作業員の労働環境について質問させて頂きます。』
『43人もの子供たちが甲状腺癌、あるいは甲状腺癌の疑いがある子供たちが居ましたよね。これ、4113.5人に一人の割合だそうです。この調査の責任者である福島県立医科大学の鈴木眞一教授は、今まで100万人に一人の発症率だったと言っています。つまり、この段階で100倍に達しているということですよね。これは東電原発事故による健康被害では無いでしょうか?政府の見解はいかがでしょうか?』

環境省 塚原氏
『お答えします。癌と診断された方が18名、癌と疑われた方が累計で25名との報告がございました。これまで癌と診断される子供の一年間の割合は、10万人に1人程度とされております。え~、二次検査が概ね終了しております。平成23年度における癌の検査結果で、これまでに9名と診断されています。このように多くの甲状腺癌が発見された理由についてですが、これまで多数の検査を一斉に行った例は他にありません。熟練した医師により、丁寧な検査が行われていることから、早期の小さな癌がこれまで以上に多く発見された可能性が高いと承知をしており、国際的な見解も同様でございます。』

山本太郎議員
『私は政府に放射線防護に関する質問書を提出しました。10月29日に内閣から答弁書が送付されてきましたが、その中で「ホールボディカウンターによる内部被曝調査でセシウム以外の核種を測定しないのか?」という私の質問に対して政府は、「検査できない物もあり、それらは尿や生体試料を持ちいた検査が必要である」と答えました。
要は、生体試料検査の必要性を認めたということだと思います。チェルノブイリでは癌や白血病だけではなく、様々な疾患が報告されています。私は福島県だけではなく、日本全国で大人も含めた血液や尿検査を政府が行うべきだと思います。』

環境省 塚原氏
『お答えします。福島県の健康調査は地元の医師や専門家、チェルノブイリ事故における報告などを踏まえた結果、決定されたものだと承知しております。福島県外に関しては有識者会議で「特段の必要性はない」という結論が出ています。また、WHOや国連科学委員会でも、「癌などの影響が増加する可能性は低い」と評価されています。ですので、当面は福島県で健康調査を実地するのが重要だと考えております。』

山本太郎議員
『先程お聞きしたのは、「今まで病院に行かなかった人達から検出された」という物でしたが、これを調べるためには福島県だけではなく、関東や東北でも日本全土でやれば、それが本当かどうかがハッキリするんですよね。甲状腺癌がどのくらい居るのか?本当の正解を見つけるためには幅広く調べないと行けないということが分かりました。すみません。次の質問をさせて頂きます。

~安倍総理のIOC総会発言に関する質問は省略~

食品安全基準値という物がありますよね。一般的な食品は一キログラム辺り100ベクレル。乳幼児食品で50ベクレル。牛乳50ベクレル。飲料水10ベクレルということですけども、私はもっともっとこの基準値を引き下げるべきだと思います。安倍総理、IOC総会のプレゼンで仰っていましたよね。「食品や水からの被曝量は基準の100分の一」であると断言されていました。食品安全担当の森大臣にお伺い致します。安倍総理が断言するように、現在の基準の100分の1を目指して、基準値を大きく引き下げるべきだと思います。現在、各国が我が国の食品輸入に規制を掛けています。これを無くしてもらうためにも、基準値引き下げは有効では無いでしょうか?』

食品安全担当 森大臣
『食品の基準値は厚生労働大臣が担当でございますけども、食品の安全について申し上げます。食品の安全については、科学的な知見に基づき、客観的かつ中立的、公正に審議を行いまして、平成23年10月に食品に含まれている放射性物質の健康評価に関する資料を厚生労働省に提出しております。』

山本太郎議員
『環境放射線データベースという物がありまして、事故前の数値を調べてみますと、全国的に一キログラム辺り0.1ベクレル以下というのが普通の水準でした。今、僕達が与えられているのは一キログラム辺り100ベクレル。ということは、今の安全基準値は事故前に食べていた物の1000倍に当たるという感覚なのですね。この事について、子供たちの給食に使われる食材を、限りなく事故前の数値に近づけるための努力を是非お願いして頂きたいのです。一刻も早く。』

以上が山本太郎議員による「食品と放射性物質」の部分に関する質疑の書き起こしです。山本太郎議員は他にも原発作業員の労働環境改善や東電への強い対応を求める要望をしており、今までの国会質疑の中でも非常に見応えのある物となっています。

それにしても、政府側の答弁は今まで推進派の連中が言っていたことと同じですね(苦笑)。やはり、ある程度の返答マニュアルみたいな物が出来上がっているのでしょう。政府側が「国際的に認められている」と言って、紹介している国連組織は日本のお金が大量につぎ込まれている団体ばかりで、ちょっと知識のある方には「またあの団体か」みたいな感じでバレバレです。

これをキッカケに汚染対策や放射能問題の見直しが行われれば良いですが、大臣達の返答を聞いていると、それも中々厳しいかもしれません。でも、このような記録が残れば、将来に放射能の影響が本格化した時に「質問があったのに、政府は対応をサボった」と言えるので、山本太郎議員がこのような質疑をした意味は大きいと私は思います。

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