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「エクエーター原則Ⅲ」のドラフト案を巡るNGOと銀行団の交渉、25日にロンドンで開催(FGW)

2012-09-10 15:33:11

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国際プロジェクトファイナンスの環境・社会影響をルール化する「エクエーター(赤道)原則」の新規改定版(エクエーターⅢ)のドラフト案を巡って、最大のステークホルダーである国際監視NGOのバンクトラックとエクエーター銀行団との交渉が、25日にロンドンで開かれる予定となった。すでに銀行側が公開しているドラフトに対してNGO側がどこまで注文を付けるかが焦点。特に、銀行側の情報開示の確約がポイントとなりそうだ。

国際プロジェクトファイナンスの大半を主導する各国のグローバル銀行(日本の3メガバンクを含む)は、この夏、現行の原則を改定するドラフト案を公開した。これまでのプロジェクトファイナンスだけでなく、新たに企業向けローンについても、事業規模が1億ドル以上のプロジェクトファイナンスに参加する個々の金融機関で、その貸出額が5000万ドル以上の金融機関を対象にする予定。

また新たに導入される気候変動への影響については、対象事業から年間10万トン以上のCO2排出量が見込まれる場合が対象となる。事業主体、あるいは投融資金融機関は、各地域や対象事業が位置する国の規制に対応する形で、排出量削減の代替措置を求められる。また排出量等についての情報開示も求められる。

25日に予定されるバンクトラックとの会合では、こうしたドラフト案についてのNGO側の評価とともに、いくつかの注文が出ると予想される。そのうち、特にNGO側が注目しているのが情報開示の拡大のようだ。エクエーター原則自体は、銀行団の自主ルールであるため、原則の対象となる事業に対して、追加環境アセスメントやアクションプランの策定を求めた場合の、当該事業者名の開示等は義務化されていない。また事業開始後のモニタリングについても明確なルールがない。これらの点の改善を、NGO側はこれまでも求めており、今回の改定でどこまで実質的に盛り込めるかがポイントだ。

これまでNGO側は、銀行団による原則活動に対して一定の評価を示してきたが、原則適用後のいくつかの事業で、環境問題や地元住民からの不満等が出るケースが相次いでいることから、原則活動の限界を指摘する声も出ている。

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エクエーター原則サイト:http://www.equator-principles.com/