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「核へのノー、貫くべきだった」村上春樹氏が受賞スピーチ(共同)

2011-06-10 12:57:13

スペイン北東部のカタルーニャ自治州政府は9日、バルセロナの自治州政府庁舎で、今年のカタルーニャ国際賞を作家の村上春樹さんに授与した。村上さんはスピーチで、東日本大震災と福島第1原発事故に触れ、原爆の惨禍を経験した日本人は「核に対する『ノー』を叫び続けるべきだった」と述べた。

 「非現実的な夢想家として」と題したスピーチで、村上さんは福島第1原発事故を「(日本にとり)2度目の大きな核の被害」と表現。戦後日本の核に対する拒否感をゆがめたのは「効率」を優先する考えだとし、政府と電力会社が「効率の良い発電システム」である原発を国策として推進した結果、原発に疑問を持つ人々は「非現実的な夢想家」として退けられたと批判した。

 その上で「われわれは持てる叡智(えいち)を結集し、社会資本を注ぎ込み、原発に代わる有効なエネルギー開発を国家レベルで追求すべきだった」と言明した。(共同)