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ドコモ、発電事業参入へ 基地局で太陽光や風力 (FGW)

2011-07-08 11:55:59

携帯電話のNTTドコモが電力事業に参入する。報道各紙によると、同社では携帯電話と電波を交信する基地局の鉄塔周辺に、太陽光パネルや風力発電設備の設置、発電事業を展開し、電力会社に売電する方向で検討している。政府の電力自由化方針を見据えながら、来年度から試行的に実施し、数年内に本格的な売電事業に乗り出す考えだ。

 電力自由化が本格化すると、地域や家庭に物理的な既存ネットワークを保有する通信会社などは、新たな事業展開が可能になる。通信事業自体が必要とする電力を各地域でまかなうだけでなく、売電事業にまで進出すると、新規事業に伴う敷地確保などの追加投資が少なくて済む分、競争力を高めることが可能となる。

 すでに新たな電力事業については、国の固定価格買い取り制度(フィードインタリフ)導入を前提として、ソフトバンクなどが各地で太陽光発電を始める計画を打ち出しているほか、商社などの事業者の展開も進んでいる。

 ドコモの基地局は国内に約9万局。東日本大震災を受けて太陽光発電設備などを整備した「グリーン基地局」の開発を進めており、2012年度に全国約10カ所をグリーン化するとともに、今後、進展するとみられる電力の需給調整を前提として、ITで電力需要を最適化するスマートグリッド(次世代送電網)事業にも進出する。