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米原子力業界、安全性向上コストを評価へ(Reuters)

2011-07-14 21:56:18

洪水に見舞われたフォートカルフーン原子力発電所(2011年6月24日、米ネブラスカ州東部)
【ニューヨーク/ワシントン13日ロイター時事】米原子力規制委員会(NRC)は福島第1原発の事故を受けて、米国の104基の原子炉の規制の大幅な変更について検討する予定だ。この動きは同国の電力の将来像を形作るのを後押しする一方で、大幅なコスト増をもたらす可能性もある。

 同国の原発の安全性を検証する特別委員会は13日、NRCに対し、3月に日本を襲った地震と津波のような災害への対策の立て方について、抜本的な改革を検討するよう求める提言を行った。

 原子力の反対派と推進派は概して似たような反応を示した。つまり、提言は大方の予想よりも広範囲に及ぶものだったが、大規模な見直しを迫るには至っておらず、これまでの規制や提言をまとめる漸進的な改善に終始しているというものだ。

現時点での大きな問題は、NRCがどの意見を受け入れ、改修に多額のコストがかかる恐れのある原子力業界でどのくらいの速さで改革を押し進めるのかだ。この問題への対応は、既に安い天然ガスとの厳しい競争に直面している原発の新設計画の実現可能性に影響を与える可能性がある。

 元GE日立ニュークリア・エナジーの品質担当副社長で、現在は同業界コンサルタントとして活動しているマーガレット・ハーディング氏は「対応がまずいと、安全性が全く向上しないのに操業中の原子炉にかかるコストが大幅に増える可能性がある」と述べた上で、「うまくやれば、真の問題に狙いを定め、規制のあいまいさを排除し、安全性を向上できる。しかし、うまくやるのは簡単でないし、時間もかかる」と語った。http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2011071400335