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長野県栄村 木質バイオマス発電で 地域の必要電力量を100%超の発電実現へ。

2016-03-24 15:52:44

ZEキャプチャ

 

 木質バイオマス発電で地域内の消費電力量を100%以上上回る発電を実現する村が長野県に誕生する。長野県でもっとも北部に位置する栄村(さかえむら)だ。

 

 長野県下水内郡栄村は、東日本大震災の翌日に震度6強の地震に襲われ、地域の住宅の全半壊など700棟以上が被害を受けた。そこで、地元に豊富にある森林資源を利用して、災害時の非常用電源にもなる木質バイオマス発電所を建設する。エネルギーの地産地消である。

 

 栄村は人口約2000人。村の面積の86%が森林、原野を含めると92.8%を占めるという山深いところ。すでに2015年3月に栄村森林組合の製材工場の中に木質チップの製造設備を導入しており、村内の温泉施設や近隣の発電所に燃料を供給している。その工場の隣接地に発電所を建設する。

 

sakaeキャプチャ

 

 企画・工事を担当するバイオマスの専門企業のZEエナギー(東京)と、関連会社のZEデザイン(京都)は、このほど村と発電所建設の覚書を締結した。

 

 工事は4月に着工し、500kW規模のガス化発電所を建設する。今年12月には完成予定。年間発電量は396万kWhで、1100世帯の電気使用量に相当する電力をつくることができる。栄村は900世帯弱なので、同村の全世帯の電力を賄っても余剰が生じる計算だ。2036年までの20年間の稼動を目指す。

 

 ただ、発電した電力は当面は、固定価格買取制度(FIT)を利用して、中部電力に販売する予定。将来的には、ZEエナジーの関連会社の電力小売会社が、地域内の企業や自治体、家庭向けにも販売するという。

 

 また発電の際に発生する排熱は、年間3mも雪が積もる同村での消雪・融雪に利用するほか、木質チップの乾燥用や近くで栽培するいちごのハウスでも活用する。村が建設を予定する避難所の入浴施設の加温にも使うなどで、発電施設から生まれるバイオマスエネルギーを地域内で完全利用を目指す。発電事業の開始によって、地域に約10人の雇用が生まれるという。

 

http://www.vill.sakae.nagano.jp/topics/oshirase7.html#global-warming

http://www.ze-energy.net/news/info/ze_design_sakae_nagano.html