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「長いも」の残渣で発電。青森・東北町で、日立キャピタル子会社等が事業化。廃棄物処理とエネルギー確保を両立(各紙)

2018-11-21 12:10:01

原料の「長いも残渣」を搬入

 

   日本有数の長いも産地の青森県東北町で、長いものの残渣(非食用部分)を原料とするバイオガス発電所が稼動した。地元の「JAAゆうき青森」が生産する長いもの残渣を活用、自然エネルギーベンチャーのイーパワー(東京)と、日本アジア投資、日立キャピタル子会社の日立グリーンエナジーの3社が共同出資して運営する。

 

 東北町は長いもが名産で、JA ゆうき青森の出荷量は全国1、2位を誇る。しかし、長いも選果場では大量の残渣が発生するため、これまでは年間2000万円前後の廃棄物処理費用が必要だった。こうした廃棄物処理とエネルギー利用を両立させるため、2016 年には株式会社「小桝屋」と共同で国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のFS(事業性評価)事業を実施してきた。

 

 事業化は、豊橋技術科学大学の熱田洋一特任准教授らが加わった産学コンソーシアムで開発され、愛知県の養豚農家などで実績のあるシステム(豊橋式システム)を寒冷地用に改良した。日量4㌧強の長いも残渣等をメタン発酵槽に入れてバイオガスを発生させる。

 

 aomoriキャプチャ

 

  バイオガス発電設備は日立キャピタル製で、小型で地産池消向けに適しているため、全国の農協や食品工場などに広げていく考え。青森に導入した設備は、発電容量30kW、年間約16万kWhを発電する。一般家庭53世帯分の年間電力となる。全量、東北電力に売電する。

 

 発電量は小さいが、バイオガス発電は太陽光や風力と異なり24時間の発電が可能なベースロード電源となる。また、廃棄物の有効利用に加えて、廃棄物処理コストを削減、さらに、JA ゆうき青森では、発電機から回収する排熱を隣地に新設するビニールハウスにて有効活用して、冬場の農業利用を目指すという。

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