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豪シドニーに、40階建て、高さ180mの世界一高い木造建設の高層ビル、来年着工。2025年完成。ソフトウエア会社アトラシアンが建設。最上階は屋上庭園(RIEF)

2020-06-28 08:56:24

mokuzou001キャプチャ

 

  世界一高い木造建設の高層ビルがオーストラリア・シドニーで建設される。ソフトウエア企業アトラシアン(Atlassian)が公表したもので、高さ180m、40階建て。2025年の完成を見込む。軟木材を何層も圧縮したハイブリッドな集成材を活用する。鉄骨やコンクリートの使用量を減らせるほか、ビルの使用電力は100%再生可能エネルギー、最上層部には屋上庭園が設けられるというから、これが本当のグリーンビルディングだな。

 

 ビルは、シドニーの中央駅の近くにニューサウスウェールズ州(NSW)が開発中の「テク・セントラル地区」に建設される。同地区はNSWが米シリコンバレーに対抗して、テク企業や研究機関等を集積するために開発するもので、同地区のランドマークになる期待がある。ビルは延べ床面積25万㎡、建設には2500人の雇用創出も想定されており、新型コロナウイルス感染による景気回復策の一つに位置付けられている。

最上部に作られる屋上庭園
最上部に作られる屋上庭園

 アトラシアンは設計を米ニューヨークのショップ(SHoP)とオーストラリアの建設事務所BVNに委ねた。アトラシアンの共同CEOのScott Farquhar氏とMike Cannon-Brookes氏の発表によると、複数の木材を組み合わせて、コンクリートや鉄骨などの構造物に匹敵するような強度を持つ集成材を使うマスティンバー建設(Mass Timber Construction)で建設する。

 同建設法は、木材の優れた建築性能とサステナブル性により欧米で広がっている。マス ティンバー建設では、モジュラー工法、プレハブ工法を採用、工場で事前に仕上げた各ピースを現場で組み立てるため、建設作業自体も「クリーンな現場」になる。組み立ては「レゴ」のようにできる。その結果、工期は、通常より10-30%短縮でき、それほど熟練労働者を必要としないとメリットもある。

ビルの内部にも緑と外光があふれる
ビルの内部にも緑と外光があふれる

 建設工事は来年には始まり、竣工予定は2025年。ビルはアトラシアンの新たな本社ビルとなり、従業員4000人が働く予定。また下部にはホテルが入る予定。ビルの一部にはソーラーパネルも設置する。正面部分には自動遮蔽(しゃへい)の窓を取り付ける。ビルは木造建設であるだけではなく、ビルのアウトドアとインドアを、大量の植物と、ガラス、鉄骨のインテリアで結びつけるという画期的な構造になる。

 NSW政府は「テク・セントラル事業」で最終的には2万5000人の高度技術者・研究者等の集積サイトとして展開する構想を持っており、総額4830万㌦(約52億円)を投じる予定。(RIEF)

https://www.news.com.au/finance/business/technology/worlds-tallest-hybrid-timber-tower-to-be-built-next-to-sydneys-central-station/news-story/01f8df294a0cd5bb4b6d486a7b6532ca