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中日本高速道路 天井版落下事故の笹子トンネルで 過去にボルト補修跡652カ所 以前から不具合を把握か(東京) ガバナンスに大きな疑問浮上!

2013-02-06 23:08:39

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sasago20121206-00000081-mai-000-3-view九人が死亡した中央自動車道笹子トンネルの天井板落下事故で、天井からつり下がる天井板などを支えるアンカーボルトが、落下場所近くで事故前に集中的に補修されていたことが、中日本高速道路(名古屋市)が国土交通省に提出した資料で分かった。中日本や補修に関わった業者がボルトの不具合を以前から把握していた可能性があるが、中日本は「建設段階か、点検で見つかって補修したのか、記録が残っていないので分からない」と説明している。


 昨年十二月の事故後、中日本が事故のあった上り線を緊急点検して補修の事実が判明、計六百五十二カ所に上った。落下場所は東京側から千六百メートルの地点で、ここから東京寄り数百メートルの範囲で約二百カ所を集中的に補修していた。




 補修内容は六百五十二カ所のうち、本来の位置にボルトの穴はあるもののボルトが埋め込まれておらず、近くに別の穴を開けてボルトが埋め込まれていたのが十二カ所あった。




 このほか、本来の位置にボルトは埋め込まれているものの、近くに別のボルトが追加で設置されていたのが二百七十五カ所。L形の金具で正規と違う方法でボルトを補修していたのが三百六十五カ所あった。




 天井板の落下は、原因を追究する国交省の調査検討委員会の調査でボルトやコンクリート自体の強度に問題はなかったことが判明。ボルトを穴に埋め込むときに穴の内部に装填(そうてん)し、コンクリートとボルトをつなぐ接着剤の強度に問題があった可能性が高まっている。


◆事実隠蔽考え得る




 鈴木猛康山梨大教授(防災工学)の話 記録が残っていないという中日本高速道路の言い分は信じ難く、事実隠蔽(いんぺい)の可能性を考えざるを得ない。補修したボルトが、崩落現場付近に集中していたのであれば、点検で補修すべき箇所が複数見つかったにもかかわらず、特に劣化が激しい箇所にだけ手を入れたのではないか。きちんと保守点検した上でデータを蓄積させていれば、事故は予測できたはず。中日本高速は道路管理者として、あらゆる情報を迅速に出し、再発防止に努めるべきだ。




 <笹子トンネル天井板崩落事故> 昨年12月2日午前8時ごろ、山梨県大月市の中央自動車道上り線笹子トンネルで天井板が約130メートルにわたり崩落。車3台が下敷きになり9人が死亡した。事故後の点検で上り線は約1200カ所の不具合が判明。中日本高速道路は同29日に対面通行で仮復旧した下り線に続き、2月8日には全面開通させる予定。山梨県警は関係者を事情聴取するなどして捜査を進めている。