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中国 石油化学工場で毒性物質「PX」生産を懸念 住民が大規模デモ(毎日)

2013-05-17 00:06:31

5月16日、中国南西部の雲南省昆明市で、石油化学工場の建設計画に反対する市民ら数百人が抗議デモを行った(2013年 ロイター/Wong Campion)
5月16日、中国南西部の雲南省昆明市で、石油化学工場の建設計画に反対する市民ら数百人が抗議デモを行った(2013年 ロイター/Wong Campion)
5月16日、中国南西部の雲南省昆明市で、石油化学工場の建設計画に反対する市民ら数百人が抗議デモを行った(2013年 ロイター/Wong Campion)


【上海・隅俊之】雲南省昆明市で16日、石油化学工場の建設計画に毒性のあるパラキシレン(PX)の生産が含まれているとして、住民ら1000人以上が計画の撤回を求めてデモ行進した。大規模なデモは4日に続いて2回目で、反対運動が収まる気配はない。

香港メディアや中国版ツイッター「微博」によると、人々は「PXはいらない」「我が子は(汚染されても)国外に逃げる金もない」などと書いた横断幕を掲げて抗議。微博には現場の写真が投稿されたが、次々と削除されており、当局は情報統制を強めている。一方で、多数の警官隊を配置したもののデモは容認した。

工場は雲南省の石油化学企業が年間1000万トンの製油を行う計画で、ディーゼル油や航空燃料などを生産する。企業側は、PXの生産は含まれないとしているが、環境評価の内容が公表されておらず疑念を招いている。昆明市の李文栄市長は16日、デモ隊の前に現れ、「市政府は民意に耳を傾け、きちんと説明する。決定権は民衆にある」と訴え、理解を求めた。

PXの生産をめぐっては、遼寧省大連や浙江省寧波などで大規模な抗議デモが起き、撤回に追い込まれるケースが続出。当局への強い不信感や情報公開の不十分さが反対運動につながっている。15日付の中国共産党機関紙「人民日報」は「企業や地方政府の環境保護策への信頼が乏しく、人々はPXと聞くと『有罪』だと考える」とする評論を掲載した。

 

http://mainichi.jp/select/news/20130517k0000m030037000c.html