HOME12.その他 |米EPA、オゾン濃度の新規則発表をまた延期(Reuters) |

米EPA、オゾン濃度の新規則発表をまた延期(Reuters)

2011-07-27 18:47:23

【ワシントン26日ロイター時事】米環境保護局(EPA)は26日、スモッグの原因となる地表のオゾン濃度の規制強化について、最終規則の発表を延期したと発表した。EPAは7月29日に新規則を発表する予定だった。延期はこれで4回目。

 EPAは昨年初め、オゾン濃度(8時間値)の許容値を75PPB(濃度の単位、10億分の1)から60~70PPBに引き下げることを提案。もともとは昨年8月に新規則を発表するはずだった。

 新規則が実施されると、各種工場や石油・天然ガス会社、発電会社などは窒素酸化物、それに揮発性有機化合物(VOC)と呼ばれる化学物質の排出を削減しなければならなくなる。これらの物質が太陽光に反応してオゾンが発生する。

 米国の石油協会(API)、商工会議所、ビジネス・ラウンドテーブル(BR)は、多くの分野は新規則を満たせず、米国の景気回復も打撃を受けるとして、これに強く反対している。化学会社のダウ・ケミカルは新たなコストは全体で最大900億ドルに上る可能性があるとし、同社を含むいくつかの企業は規則導入を2013年まで延期するよう政府に要求した。

 これに対してEPAのジャクソン長官は、新規則によって米国の医療コストは最大1000億ドル減少し、心臓と肺の疾患での早死にを年間1万2000人減らせると主張している。

 EPAは今回の発表延期について、行政管理予算局(OMB)が規則のレビューをしているためだとしているが、最終的にいつ発表されるのかは明らかにしなかった。

 環境保護団体は発表が遅れていることを批判。NPOの「憂慮する科学者同盟(UCS)」の公衆衛生専門家、リズ・ペレラ氏は「繰り返される延期は受け入れられない」とし、「1日遅れれば、それだけ健康を害する人が増えていくだけだ」と強調した。

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2011072700193