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国連活動より汚染企業や銀行標的に=グリーンピースが転換(Reuters)

2011-09-15 23:55:17

記者会見に出席したグリーンピース・インターナショナルのナイドゥ事務局長(2010年1月4日、スペイン・マドリード)
【ロンドン14日ロイター時事】国際的な環境保護団体「グリーンピース」のクミ・ナイドゥ事務局長は14日、グリーンピースの運動の標的を、国連の気候変動交渉でのロビー活動から、環境汚染をもたらしている企業への対峙(たいじ)にシフトしたことを明らかにした。同事務局長はグリーンピース設立40周年を迎える前日にロイター通信のインタビューに応じた。


 

同事務局長によれば、グリーンピースは、森林破壊のほか、原子力や化石燃料企業をバックアップする銀行を標的にした新戦略を検討しているという。

 

国連の気候変動交渉は、2009年にデンマーク・コペンハーゲンで開かれた国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で条約の締結に至らずに終わった。世界の各国首脳は拘束力のある温室効果ガスの排出量削減で合意できなかった。

 

ナイドゥ事務局長によれば、グリーンピースは新興国での投資も増やしていく方針。新興国は将来、温室ガスの排出増加分の大半を占めるようになるとみられるからだ。

 

ナイドゥ事務局長は「国連プロセスが依然として、さまざまな分野の中核だが、その投資(資源投入)比率は変化している」と語った。具体的には「実際の運動資源であるスタッフの時間という点からすると、国連を対象にした活動は(2年前と比較して)少なくとも50%減少している」という。

 

同事務局長は「大規模な汚染を引き起こしている企業が(国連交渉打開の)障害になっている。そういう企業を追及することが交渉プロセスの間接的な後押しになると考えている」と述べた。

 

グローバル金融危機と気候変動に懐疑的な米上院により、京都議定書の後継となる条約の締結を目指す国連の取り組みは立ち往生している。京都議定書の温室ガス排出量削減に関する最初の期限は来年末に訪れる。年末に南アフリカ共和国のダーバンでCOP17が開かれる予定だが、条約の締結には至らないとみられている。

 

グリーンピースは最近、英国に本拠を置くケアン・エナジー社による北極海での石油探査妨害キャンペーンを実施した。石油流出事故に対処するのにあまりにぜい弱と判断したためだ。

 

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2011091500339

記者会見に出席したグリーンピース・インターナショナルのナイドゥ事務局長(2010年1月4日、スペイン・マドリード)