HOME12.その他 |青粉などで五大湖の生態系に被害=NWF報告(Reuters) |

青粉などで五大湖の生態系に被害=NWF報告(Reuters)

2011-10-11 15:46:59

エリー湖からバファロー市を望む(2011年1月7日、米ニューヨーク州バファロー)
【シカゴ4日ロイター時事】環境保護団体の全米野生生物連盟(NWF)は4日、五大湖では肥料などの流入による栄養過多で藻類の青粉が大量発生し、湖底ではイシガイが食物連鎖を破壊しているとの報告を発表した。

 報告は、世界の淡水の5分の1を擁し、数千万人に水を供給している五大湖は今「生態系崩壊に近づいている」のかもしれないと警告した。

 NWFの五大湖担当のディレクター、アンディー・ブクスボーム氏は「エリー湖などではあまりに多くの食物が沿岸の青粉をもたらし、逆にヒューロン湖では食物が少なすぎて魚類が飢餓状態にある」と指摘した。

 エリー湖は今年の夏、有害な青粉が厚さが最大で60センチにも及ぶ層となり、これが16キロ四方に広がった。青粉はミシガン湖の一部にも発生した。報告を執筆した1人であるジュリー・ミダ・ヒンデラー氏はロイター通信とのインタビューで、水処理で毒素は除去されるが、この処理の過程でしばしば悪臭が発生すると指摘した。

 一方、湖底では次々と繁殖するイシガイがゼブラ貝に被害を与えており、広い範囲にコロニーを作っている。これによって湖の食物網の基礎となるプランクトンが除去されて、エールワイフやブローター、キュウリウオなどの小さな魚の餌がなくなり、次いでこれらの魚を捕食するホワイトフィッシュとサーモンが打撃を受けているという。

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2011100500295

エリー湖からバファロー市を望む(2011年1月7日、米ニューヨーク州バファロー)