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環境保護団体がオバマ政権を提訴=スモッグ規制強化断念で(Reuters)

2011-10-13 13:05:51

ミズーリ、ミネソタの両州を襲った嵐について話すオバマ大統領(11年5月24日、英ロンドン)
【ワシントン11日ロイター時事】米国の公衆衛生団体や環境保護団体は11日、大気汚染に関する規制強化案の廃棄を命じたオバマ政権の決定を覆すよう求めて首都ワシントンにある連邦控訴裁判所(高裁)に提訴した。

 これらの団体は「アースジャスティス」、「米国肺協会(ALA)」、「環境防衛基金(EDF)」などで、ホワイトハウスが9月2日に環境保護局(EPA)に対し、オゾンの「全国的環境大気質基準(NAAQS)」案、つまり大気汚染に関する化学物質規制強化案を廃案にするよう命じたことを不服として訴訟を起こした。

 

アースジャスティスの弁護士デービッド・バロン氏は電話会見で、「オバマ政権の判断は違法で無責任だ」と述べ、「大気浄化法が求めている国民の健康保護ではなく、政治に基づいて判断が下されたからだ」と語った。同氏は、この判断のせいで多くの人々がスモッグ形成化学物質を原因とする病や早死のリスクにさらされると指摘した。

 オバマ大統領は9月にEPAに廃案を命じた際、これは企業にかかる規制上の負担軽減の取り組みの一環だと説明していた。

 EPAは、企業や下院の共和党議員から、水銀や温室効果ガスなどの汚染物質の排出規制の実施を遅らせるか、規制値を下げるよう圧力を受けていた。スモッグ形成物質を規制すると、石炭火力発電を行うアメリカン・エレクトリック・パワー(AEP)やサザン・コープなどが影響を受ける可能性がある。

 EPAのジャクソン長官は、ジョージ・W・ブッシュ大統領時代の2008年に設けられたスモッグ形成物質に関する75PPB(10億分の1)の規制値を強化したいと考えていた。しかし、ホワイトハウスが規制強化を阻止したため、EPAは既存の規制を用いて取り締まりを行うことになる。

 EPAにこの訴訟に関するコメントを求めたが、まだ得られていない。EPAは13年の規制修正を提案する見込みだ。




ミズーリ、ミネソタの両州を襲った嵐について話すオバマ大統領(11年5月24日、英ロンドン)


http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2011101200213