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ニチアスのアスベスト健康被害訴訟 岐阜地裁が同社の企業責任を初めて認め、4180万円の賠償命令 岐阜地裁判決(岐阜新聞)

2015-09-16 12:11:04

nichiasuキャプチャ

大手建材メーカー、ニチアス(東京都)の羽島工場(岐阜県羽島市竹鼻町狐穴)の元従業員2人が、作業中にアスベスト(石綿)の粉じんを吸い健康被害を受けたとして計5940万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が14日、岐阜地裁であり、唐木浩之裁判長は同社が安全配慮を怠ったとして計4180万円の支払いを命じた。

 ニチアスをめぐっては元従業員と遺族が2010年10月、岐阜、札幌、奈良の3地裁に一斉提訴していた。企業の責任を認めたのは初めて。

 訴えていたのは1959~67年に羽島工場で働いていた山田益美さん(72)=羽島市=と、60~95年に勤務した角田正さん(80)=同=。2人は岐阜労働局から、粉じんを吸い込むことで肺の機能が低下するじん肺と認定されている。

 判決では、ニチアスの安全配慮について「マスクの支給や安全教育について不十分であった」と指摘。2人の健康被害との因果関係も認めた。

 ニチアス側は裁判で、角田さんが退職時に見舞金600万円を同社から受け取り、「一切の異義を申し立てない」とする念書に署名していることを理由に損害賠償を求める権利はなくなったと訴えた。だが、判決は「病状が進行することを含んだ和解金額としては相当に低額」と主張を退けた。

 判決を受けニチアスは「判決内容を精査しておらず、コメントは差し控える」としている。

 厚生労働省によると、2013年度までに羽島工場で労災認定されたじん肺患者は63人。うち28人が肺がんや中皮腫などで死亡している。

http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20150915/201509150954_25729.shtml