ドイツの国際人権団体「Ethecon」 今年のBlack Planet 賞に 米ダウケミカル社と、EUの国境管理協力機関を選定(RIEF)
2015-11-22 22:06:54
ドイツの人権NGOであるEtheconは、人権擁護に逆行するBlack Planet Awardを米化学会社のダウケミカルのCEOらと、 EUの国境管理担当の欧州対外国境管理協力機関(FRONTEX)に、人権擁護に貢献したBlue Planet Award をスーダンで紛争地帯の住民の実情を紹介し続けているスロバニアの映画製作者Tomo Križnarに、それぞれ贈呈すると発表した。
Black Planet Awardに決まったダウケミカルは、1984年にインドのボパール工場で引き起こしたダイオキシン汚染事故の責任をいまだにとっていないとの理由。爆発した工場の周辺に拡散したダイオキシンで汚染された土壌はそのままで、浄化費用を払うことも拒否しているという。
Etheconは、ダウの現在の会長兼CEOのAndrew N Leveris氏と、役員で監査委員会メンバーのJames M Ringler氏の二人に、賞を贈呈することを決めた。
ダウを“推薦”したインドの医師、 Mali Muttana Mallapi 氏は、ダウはインドのダイオキシン問題だけでなく、ベトナムでの枯葉剤の製造、1950年代の米原爆製造拠点だったthe Rocky Flats plantの運営、ナパーム弾の製造、低品質シリコン偽装品製造等、幅広い責任があると指摘している。
FRONTEXはEUの国境管理機関として2005年から活動を開始している。ドイツの難民NGO、ProAsylの代表Judith Kopp氏は、FRONTEXの活動は、シリアやアフリカ等からの難民問題への取り組みが主だが、結局は、難民問題を引き起こす原因には取り組まず、難民の制御に終始している、と非難した。
Kopp氏は世界中に6000万人いるとされる難民の声の代表として、「われわれはあなたの国に来たのは、あなたの国が私たちの国を破壊したからだ」との言葉を紹介した。
Etheconは2006年以来、世界中を対象として、独自のBlack Planet 賞と、Blue Planet 賞を選考し、贈呈している。2011年には、福島第一原発事故を起こした東京電力をBlack Planet企業として選んでいる。