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グリーンピースが持続可能な魚類販売実態を評価。「お魚スーパーマーケットランキング5」で、イオンが首位維持。最下位はダイエー(Greenpeace)

2016-01-27 18:14:21

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 国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは27日、国内大手スーパーマーケット5社(イオン、イトーヨーカドー、西友、ダイエー、ユニー)に対し行ったアンケート調査をもとに、魚介類の調達方針の持続可能性を評価する「お魚スーパーマーケットランキング」の第5版を発表しました(注1)。

 

 アンケートは2015年12月18日から2016年1月8日にかけて実施し、5つの質問項目(過剰漁業における「問題意識」、取り扱う魚介類の「調達方針」、「持続可能性」、「トレーサビリティー」、「情報公開」)を調査しました。

 

 今回の評価では太平洋クロマグロなど絶滅危惧種の取り扱いに加え、違法漁業や強制労働をサプライチェーンから締め出す効力のある調達方針を策定・導入しているか、それが実際に機能しているかを重視しました。その結果、昨年に引き続きイオンが首位を維持しました。

 

調査結果の概要

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ランキング結果:1位イオン(48.45ポイント)、2位イトーヨーカドー(40.78ポイント)、3位西友(32.95ポイント)、4位ユニー(32.10ポイント)、5位ダイエー(29.36ポイント)(注2)。

今後の課題:商品のトレーサビリティーを取引先からの情報に依存しており、独自の取り組みを強化するとともに、行政やサプライチェーン全体に改善を要求する積極性が必要。

首位イオン:魚種別の資源量を詳細に把握し、認証商品コーナーの常設や、産卵期の太平洋クロマグロの取扱量削減など、具体的な取り組みが他の4社を大きく引き離す要因となる。

最下位ダイエー:2015年1月にイオンの完全子会社となり調達方針はそれに準ずるが、今も残るダイエー店舗での仕入れがイオン調達方針を遵守しているかの根拠は明示されていない。

 

 グリーンピース・ジャパン海洋生態系担当 小松原和恵は「いまマグロ漁を含む水産業では、世界的な薄利多売トレンドの陰で、絶滅危惧種が増加するなど生態系破壊および資源の問題や強制労働など人権に関わる問題が危機的状況にあります(注3)。

 

 問題の根絶には、取り扱う魚介類がスーパーマーケットに届くまでの過程で、そうした問題を引き起こしていないか、サプライチェーンにおけるトレーサビリティーの確保が必須ですが、取引先の情報に依存している現状の調達方針では不十分です。

 

 今や食卓で消費される魚介類の7割を販売するスーパーマーケットには、自然のサイクルを無視した薄利多売の継続ではなく、調達方針を強化し海にも人にも優しいビジネスモデルを実践することが今後いっそう求められます。私たち消費者一人一人にも、持続可能な調達方針をもつ企業を選ぶ目が必要です」と訴えました。

 

 グリーンピースは、消費者がスーパーマーケットやデパートに持続可能な調達方針を促すための「マグロの赤ちゃんを守って!Save my Baby」キャンペーン(注4)を2015年6月より継続し、消費者が手軽に声を届けられるアクションハガキの配布を行っています。豊かな生態系と恵みを次の世代の海と食卓に確実に残すためには、私たち消費者の行動が不可欠です。

 

注1)「お魚スーパーマーケットランキング5」ウェブページ
        ブリーフィングペーパー
注2)グリーンピース調査、太平洋マグロ漁における強制労働のインタビュー 
注3) 5項目の得点率の平均を総合結果とする。
注4)「マグロの赤ちゃんを守って!Save my Baby」

 

http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2016/pr20160127/