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横浜港 国際海運の環境規制強化を踏まえ、環境配慮船舶の入港料15%減免制度導入へ。4月から。「グリーン・ポート」競争でも主導権目指す(RIEF)

2017-02-13 00:06:17

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 横浜市は大気汚染物質の排出を抑えるなど環境に配慮した船舶の横浜港の入港料を15%減免する制度の導入に踏み切る。国際海運の温室効果ガス排出規制が今後、強化されることを踏まえ、環境配慮型の船舶の入港促進を打ち出したもの。

 

 制度整備の一環として、環境負荷の少ない船舶を評価する国際的な認証制度に参加、同認証を得た船舶の入港料を割り引く仕組みとする。横浜港では液化天然ガス(LNG)の拠点の整備計画もあり、「環境に配慮したグリーンポート」として国際的にアピールしていく狙いもある。

 

 新制度は4月から導入する。国際海運は国際航空とともに、京都議定書の排出規制の枠外となっていた。しかし、国際海事機関(IMO)は2013年に、新造船に排出規制の導入義務化を決め、さらに昨年は既存船への規制を2023年から導入する方向を示した。実施については流動性を残しているものの、何らの対策も講じない場合に比べ、2030 年には約 20%、2050 年には約 35%の CO2排出量削減が期待されている。http://rief-jp.org/ct4/65408

 

 こうした国際的な潮流を受けて、横浜市は将来的に環境配慮船舶が増えるとみて、それらの船舶の入港促進策を打ち出した。すでに同港は、クルーズ船やコンテナ船などの入港促進のため、入港料の減免制度を設けている。環境関係では、グリーン物流優遇のため、コンテナ貨物を輸送するはしけやプッシャーボートの入港料を全額無料にする制度もある。

 

 今回の環境配慮船舶への入港料減免制度を導入するに当たって、環境負荷の少ない船舶を評価する国際港湾協会の認証制度「ESI(環境船舶指数)」と、オランダの「グリーンアウォード財団」の認証制度に参加する。両団体はそれぞれ硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)など大気汚染物質の排出量や燃費効率などを評価し、一定の水準を満たした船舶の船主に認定証書を発行する活動を国際的に展開している。

 

 どちらかの団体の認定証書を取得している船舶が横浜港に寄港した際、認定証書を港湾当局に提示すれば入港料を15%減免される。両団体とも、今後、CO2排出量についても、IMOの規制が確定すれば認証対象にする見通し。現在、横浜港の国際航路船舶の入港料は1㌧当たり2.7円。10万㌧級であれば4万円ほど安くなる計算だ。

 

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  横浜市では今後、年間延べ600隻がこの制度を利用し、入港税の減免額は1000万円程度になると見込む。入港税の減免の一方で、入港船舶数が増えれば、経済効果、環境効果がともに高まるとみている。今後、対象船舶の寄港が増えれば、減免率の上乗せや、寄港回数に応じて減免率を引き上げるなどの優遇策も検討する。

 

 ESIはコンテナ船や自動車専用船などが主で、16年末時点で約5100隻が環境配慮型船舶として認証されている。グリーンアウォードはオイルタンカーなど燃料運搬船を主体に242隻を認証している。ESIについては東京港も参加しているが、ESIとグリーンアウォードの両方の認証を受け入れるのは、国内では横浜港が初めてという。

http://www.city.yokohama.lg.jp/kowan/business/business-support/siyoryou/incentive.html

http://esi.wpci.nl/Public/Home