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国連環境計画と欧州委員会が共同で、廃プラスチック対策の政策共有化を目指す「グローバル・プラスチック・プラットフォーム(GPP)」立ち上げ。各国間の情報交流と政策支援の場に(RIEF)

2018-10-02 07:30:29

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 国連環境計画(UNEP)とEUは共同で、海洋プラスチックごみ問題に世界の各国が取り組むことを支援するため、「グローバル・プラスチック・プラットフォーム(GPP)」を立ち上げた。各国が、プラスチック使用を減らすデザイン基準の制定や、消費パターンの改善、循環型の廃棄処理システムの導入などのためのベストプラクティスを提供し、プラスチック削減をグローバルに後押しする。

 

 GPPは、廃プラ問題に取り組む各国間の情報交流のハブとしての役割を期待される。各国が、プラスチック素材を使った消費財デザインの変更や、消費パターンの改善、プラスチックの使用をより持続可能な方法に切り替える廃棄物システムの導入などに取り組む際、GPPはそれぞれの国に適したベストプラクティスの提供や各国の経験情報の共有化等ができる場となる。

 

 現在のところ、GPPに署名・参加を明確にした国の名前は明らかになっていない。今後1年かけて多くの国々がプラットフォームへ参加宣言するとともに、廃プラ対策を実施する「プラスチック誓約」を世に宣言する場になると期待される。

 

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 すでに各国の個別の取り組みは広がっている。たとえば、インドは2020年までに使用済プラスチックの使用を禁止することを明言した。チリ、ボツワナ、ペルーもプラスチック袋の使用禁止を宣言した。ナイジェリアはリサイクル工場の増設を公約している。GPPへの参加国は、こうした個別の公約をプラットフォーム上で行うことで、政策の共有化、手段の共通化が図られることになる。

 

 UNEP事務局長のエリック・ソルヘイム氏は、「各国が個別に対応している対策を、GPPに持ち寄ってお互いの経験として学び合うことができるようになるだろう。廃プラ問題は一カ国だけで問題解決ができるものではない。力を合わせて共同で推進することでグローバルな変化を促せる」と述べている。

 

  欧州委員会の第一副委員長の フランス・ティメルマンス(Frans Timmermans)氏も、「だれもが、プラスチックが問題だということをわかっている。その問題の解決は緊急を要することもわかっている。なのに、もしわれわれが何もしないと、プラスチックは我々の海を窒息させ、海洋生態系は犠牲を続けるだろう。対応しなければならないのだ」と強調している。

 

 今年の初めに明らかになったEUの「プラスチック戦略」によると、製品デザインの変更(脱プラスチック)、EU域内でのプラスチック製品の使用、リサイクルの変更、そのための投資機会の拡大と雇用の創出等を盛り込にでいるほか、2030年までにすべてのプラスチック容器のリサイクル化を目標に掲げている。さらに5月には、ストローなどの使い捨てプラスチック製品の使用禁止案も公表している。

 

 GPPで積極的に廃プラ対策を宣言できる国と、様子見でプラットフォームに近づこうとしない国もでてくる可能性がある。消費者や市場関係者などはそうした各国、各企業の対応を見定める必要がある。

 

https://www.unenvironment.org/news-and-stories/press-release/nations-commit-fight-plastic-pollution-together-during-un-general