HOME12.その他 |ユニチカも、生分解性のバイオプラスチックで使い捨てストロー開発。紙製よりも耐久力、強度に優れる。3年後5億円の売り上げ見込む(RIEF) |

ユニチカも、生分解性のバイオプラスチックで使い捨てストロー開発。紙製よりも耐久力、強度に優れる。3年後5億円の売り上げ見込む(RIEF)

2019-03-27 07:45:13

yunichika1キャプチャ

 

 ユニチカ(大阪市)は、植物由来のバイオプラスチック「テラマック」をストロー用に改良した樹脂グレード「TP-5040」を開発した。廃プラスチック問題で、使い捨てプラスチックストローの代替製品の求められている。同社の新製品は、微生物や酵素の働きで最終的には水とCO2に分解される。今後、ストロー以外の用途への転用も図り、3年後には売上高年間5億円を目指すとしている。

 

 同社は以前から植物由来の生分解プラスチック「テラマック」を開発している。同製品は、微生物や酵素の働きによって最終的に水とCO2に分解される。ただ、生分解性は優れているが、「硬い・脆い」という性質があることから、ストローにした場合、製造時にカッティングや使用時の折り曲げなどで、ひび割れや破損を生じやすい課題があった。

 

 今回、この課題を解決するため、「TP-5040」には、柔軟成分のポリマー及び無機フィラー等を適量付与することで、一定の柔軟性と剛性、及び加工性を併せ持つ最適な樹脂を生み出したという。

 

コンポスト試験条件でのテラマック製ストローと紙製ストローの分解挙動
コンポスト試験条件でのテラマック製ストローと紙製ストローの分解挙動

 

 代替ストローとして、紙製ストローが登場しているが、紙の場合、長く飲み物に漬けると、ストロー自体がふやけてしまったり、また、かき混ぜる際に折れたりするなど、耐久性や強度に問題点がある。これに対して「TP-5040」は、これまでのプラスチック製ストローと同様の強度が得られるという。

 

 同社の調査では、冷水に30分漬けた場合、テラマックストローは外観的に特に変化はなく、氷をかき混ぜることも可能。これに対して、紙製ストローはふやけるとともに、氷をかき混ぜる際に折れた、という。また、分解性については、コンポスト試験条件で、2週間経過すると、テラマクスストローは細片状にバラバラになった。紙製は変化なしだった。

 

 同社は、樹脂グレード「TP-5040」について、日本バイオプラスチック協会(JBPA)のバイオマスプラマークを取得申請中。

 

 さらに、今後は同製品を市場へ投入するとともに、国内外市場で積極的な販売体制を整えることにより、新規顧客開拓を進めていくとしている。樹脂グレード「TP-5040」の販売について、プラスチック製ストローの代替用途として売り込みを図るとともに、ストロー以外の用途への転用も目指し、3年後には年間売上高5億円を目指している。

 

https://www.unitika.co.jp/news/high-polymer/hp190325.html?referrer=topnews&category=high-polymer