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東電福島原発の港湾と外洋を仕切るフェンスは、安部首相の「完全ブロック」発言とはほど遠い隙間だらけの代物(FGW)

2013-09-09 13:23:57

シルトフェンスは港湾の左側に設置、港湾口にはブロックフェンスが一応ある
シルトフェンスは港湾の左側に設置、港湾口にはブロックフェンスが一応ある
シルトフェンスは港湾の手前左側に設置、港湾口にはブロックフェンスが一応ある


安倍首相がオリンピック開催の東京の安全さをアピールするため、東京電力福島第1原発の汚染水の影響について「港湾内で完全にブロックされている」と発言したが、実際の港湾内と外洋を仕切るフェンスは、隙間だらけで、汚染水だけでなく、汚染魚の流出も懸念されている状況だ。

 

東電は汚染水の海洋流出を止めるために、汚濁拡散防止用の「シルトフェンス」を、外洋との接触部分に設置している。しかし、このフェンスというのはカーテン状の幕であり、港湾内にたまった汚染物質の拡散をある程度は抑えることはできるとしても、汚染水を完全にシャットアウトするものではない。海が荒れると、隙間から海水は自由に行き来している。しかも、今年の4月には、強風の影響で一部が切れるなどの弱さを露呈している。

また仮に、シルトフェンスが汚染水を遮断できたとしても、汚染汚染で問題となっているトリチウムなど水溶性の放射性物質の移動は防止できない事は、東電も政府も認めている。だから田中原子力委員長はトリチウム入り汚染水を希釈して海洋流出させたいと発言、海外の報道陣の不信感を高めた。

 水深7・5メートル港湾口には、流入する放射性物質に汚染された魚介類の移動を抑制するため、「ブロックフェンス」(高さ1・5メートル)を設置しているが、これも汚染魚を遮断するのが目的で、汚染水は自由に流出している。汚染魚も網の底部やシルトフェンスの隙間などから、出入りしているとの指摘もある。

 オリンピック開催が決まった2020年までに汚染水問題を「完全ブロック」するには、港湾を全面埋め立てる以外に方法はない。また、東電は、事故原発からの溶融燃料棒の取り出しを2020年から開始するとしているが、万一、取り出し時に再び事故を引き起こし、オリンピックにも、周辺地域にも、重大な影響を及ぼすリスクを指摘する声もある。 

 参考情報 http://financegreenwatch.org/jp/?p=29036