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東電福島第一原発 汚染水貯蔵のフランジ型タンクのつなぎ目部分から漏洩。耐用年数切れタンクの劣化を象徴(RIEF)

2016-10-07 18:35:59

tepcoキャプチャ

 

  東京電力は6日、福島第一原発の敷地内にあるフランジ型タンク1基の上部から、汚染水の水滴が漏れているのを作業員が見つけ、漏洩量は最大32㍑とみられると発表した。ベータ線を出す放射性物質が1㍑当たり59万ベクレル検出された。

 

 漏れた汚染水はタンクを囲むコンクリート製の内堰の中にとどまったため、外部流出はなかったとしている。漏洩箇所からの滴下水を仮設の受けタンクに導いて内堰への滴下を防ぐとともに、タンクの水位を漏洩箇所より低下させる作業を実施、7日朝には漏れは止まったという。

 

 漏洩した汚染水からは、ガンマ核種についても、セシウム137が1㍑当たり260ベクレル、コバルト60が同200ベクレルなどの値が検出された。ただ、東電では漏洩量が少ないことや、外部流出がないことなどから、影響はないとしているが、漏洩を起こしたタンクは、複数の鋼板をボルトでつなぎ合わせたフランジ型で、今回の漏洩は鋼板の継ぎ目から漏れていたことが分かっている。

 

 フランジ型タンクは、福島事故発生後に緊急に動員されたもので、こ鋼板をつないだだけで、溶接等はしていない。このため、貯蔵水を保管する能力は5年前後で耐用年数を迎えるといわれてきた。すでに、大半のフランジ型タンクは、機能劣化が進んでおり、東電では今年度中にすべてを耐用年数の長い溶接型タンクに切り替える予定だった。

 しかし、作業手順の遅れで間に合わず、最短でも2018年6月までの切り替えに延期している。今回の漏洩は、わずかな漏洩ともいえるが、タンクの劣化が進展していることを物語るもので、耐用年数切れで次々とタンクから汚染水の漏れが拡大する懸念も出ている。

http://rief-jp.org/ct13/64689?ctid=76

フランジ型タンクから滴下した水のガンマ核種の分析結果は以下のとおり。


・セシウム-134 : 44Bq/L
・セシウム-137 :260Bq/L
・コバルト-60 :200Bq/L
・アンチモン-125:780Bq/L

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2016/images2/handouts_161007_03-j.pdf

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2016/images2/handouts_161006_06-j.pdf