HOME13 原発 |東電柏崎刈羽原発など、全国7原発12基の中央制御室の空調系ダクト、多数の腐食や穴見つかる。規制委が調査結果公表。電力会社の原発管理のズサンさを裏付け(RIEF) |

東電柏崎刈羽原発など、全国7原発12基の中央制御室の空調系ダクト、多数の腐食や穴見つかる。規制委が調査結果公表。電力会社の原発管理のズサンさを裏付け(RIEF)

2018-05-23 18:07:55

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  原子力規制委員会は23日、全国の原発のうち、東京電力柏崎刈羽根原発3号機など、7原発12基で、空調換気系ダクト等にさびなどによる腐食や穴等が見つかったことを明らかにした。ダクト内での結露等による長年の腐食が放置されたままになっていたことを裏付ける。刈羽3号機では、中央制御室の換気機能にも異常の可能性があるという。原発管理のズサンさを改めて浮き上がらせた。

 

 (写真は、ダクトの表面はさびでボロボロ。長い亀裂が走る。柏崎刈羽原発3号機で)

 

 規制委は、2016年12月に中国電力島根原発2号機(松江市)の中央制御室(MCR)のダクトで腐食による複数の穴が見つかった問題を受け、昨年1月、全国の電力事業者に、MCRダクトの点検調査を指示していた。ダクトに穴が開いていると、原発事故発生時に、放射性物質が中央制御室に流入し、運転員が被ばくする恐れがある。

 

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 調査の結果、島根原発2号機と同様の腐食や穴が見つかったのは、東電を含め、7原発12基だった。東電刈羽3号機と7号機で合計、9ヶ所の腐食穴が確認された。特にMCRダクトの腐食穴はさびが著しく、穴も最大のもので縦約13cm、横約5cmの亀裂があった。中央制御室の換気機能に異常がある可能性がある、としている。また中部電力浜岡原発3号機もMCRダクトに6ヶ所の穴が見つかった。

 

 規制委によると、腐食や穴が確認されたのは東北電力女川3号機(宮城県)、日本原子力発電東海第2(茨城県)、東電の福島第一原発 の6号機と柏崎刈羽3、4、6、7号機、中部電力浜岡3~5号機(静岡県)、北陸電力志賀1号機(石川県)、島根1号機(松江市)。

 

 島根原発1号機では、87箇所の腐食穴が見つかった。ただ、規制委は、MCRの居住性に影響を及ぼすものではなかったとの中国電力の評価を妥当としている。同機は廃炉の予定で、今後、MCRダクトは使用しない方針。

 

明らかに管理点検が放置されていた東電柏崎刈羽原発3号機のダクト
明らかに管理点検が放置されていた東電柏崎刈羽原発3号機のダクト

 

 規制委は、ダクトの腐食や穴が広範囲に存在していたことを認める一方で、3ヶ所とも、中央制御室の居住性に影響を及ぼすものではなかったとの評価をしている。ただ、長年にわたってダクトの検査が行われず、さびが重なったまま放置されてきたことの管理上の問題については明言を避けている。

 

http://www.nsr.go.jp/data/000231599.pdf