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日本生命 グリーンボンドなどESG債券投資を3000億円規模に拡大へ。発行体との直接対話も促進(RIEF)

2016-10-28 16:45:46

nisseiキャプチャ

 

 日本生命は、成長・新規領域への資金供給に力を入れているが、その中でグリーンボンドなどESG分野への債券投資額が1000億円を突破したことを受け、新たに3000億円程度にまで拡大させる方針を示した。

 

 日本生命は2015年度から新3ヵ年経営計画における運用戦略として、成長・新規領域に1兆円を投じる方針を打ち出している。ESG分野の債券投資もその一環。その当初目標の1000億円は、1年強で到達した。現在、1100億円(約10億㌦)のうち、ほぼ半分はグリーンボンドという。

 

 同社は、これまで英ロンドン交通局の環境配慮型私募債125億円分を購入したのをはじめ、メキシコの産業金融公社(NAFIN)のグリーンボンド、世界銀行のサステナブル・デベロップメントボンド、チリ国立銀行のウーマンボンドなどを購入してきた。

 

 新たな目標とする3000億円については、達成目標の年限などは定めていない。だが、グローバル市場だけでなく、最近は日本でも大手金融機関や企業発行のグリーンボンドが増えてきていることもあり、投資目標のターゲットを引き上げた形だ。

 

 これまでのグリーンボンドを含むESG債券投資において、同社は発行体の金融機関や公的機関と直接対話を通じて私募形式で引き受けるなど、発行体と投資家の連携を深める事例も増加しているという。投資家としてグリーンボンド発行を促すことで同市場の発展に貢献したいとしている。

 

 グリーンボンド市場の拡大のための市場整備では、そうしたボンドへの社会、投資家の認識を高めることがまず重要になる。グローバル市場は今年、700億㌦~800億㌦規模に拡大するとみられており、日本の機関投資家の購入も増加している。このためグローバル市場と整合性のある国内市場整備の課題として、第三者機関による信用格付け、英語による情報開示、包括的な発行プログラムの設定などが課題となっている。

http://rief-jp.org/ct2/56955