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米国がスーパーファンドの強制支払保証対象業種拡大へ 2013年にも  CERCLA108b条追加(FGW)

2012-04-25 05:34:56

米国の環境汚染浄化を促すスーパーファンド法(CERCLA)の規制対象業種の拡大が、秋の大統領選挙後の2013年にも実施される見通しとなっている。米英の環境金融情報誌などによると、米環境保護庁(EPA)と他の複数の連邦当局は、現在、埋め立て業者などに対して、環境リスクや環境債務が生じた場合の支払い保証を義務付けているが、その対象を拡大するCERCLA108b条を追加する計画だ。

現行のCERCLAの支払い保証義務付け対象リストに追加が検討されているのは、石炭以外の鉱山開発、石油採掘などの業種。いずれも操業に伴って、排鉱滓や余剰油などの散逸が予想される。通常、こうした環境債務物質に対しては、財務上は資産除去債務として、環境被害や健康被害が起きた場合は損害賠償責任として、各開発会社が対策を講じるが、実際の資金的裏付けがない場合は被害補償ができないことになる。このためEPAは対象業種をリストアップして、当該業種の企業については、金融的支払い能力の確保を義務付けている。

 

支払い保証には、環境保険や、コミットメントライン等の金融的手法がある。EPAの方針に対して、事業者は対応を迫られる一方、環境保険市場が拡大するとの期待が保険業界等には高まっている。スーパーファンド法では汚染事業者の対応力が乏しい場合、浄化費用等はまず連邦政府が負担することになり、EPAは2012年度予算で6億2100万ドルという過去最高の支出を迫られている。

今回の義務化対象拡大は、財政上の理由も背景にある。対象業種に温暖化ガス排出大量業種が加わるかどうかについては、現在のところ否定的。

http://www.epa.gov/