米自動車メーカーのフォード。CO2を原料としたプラスチックや発泡フォームを車の部品に活用。5年以内に実用化へ。フォードさん、なかなかやるじゃん!(RIEF)
2016-05-26 22:25:17
米自動車メーカーのフォードは、二酸化炭素(CO2)を原料とするプラスチックや発泡フォームを自動車部品化する研究を進めている。このほど、CO2を50%まで材料化するベンチャー企業と提携、5年以内の実用化を目指している。
フォードは2013年以来、大学やベンチャー企業などとCO2を部品の原料に使う研究を進めてきた。これらのパートナー企業のうち、マサチューセッツ州を拠点とする合成化学ベンチャーのNovomerと連携、CO2を原料とした合成ポリマーの製造を進めている。
現在のところ、材料の50%までをCO2で合成できるまでになっているという。これらからプラスチックや発砲フォームを作り、車の座席のクッションや、サスペンションの下回りなどの部品に使う計画だ。
「CO2部品」をフォード車に応用できると、年間6億ポンド(約27㌧)分の石油使用を削減できるという。使用するCO2はCCS(二酸化炭素の回収貯留)技術と組み合わせることで、低価格で使うことができる。
プラスチックは世界の石油利用の4%分を占めている。このため、CO2でのプラスチック代用が可能になると、石油削減とCO2削減の両方に貢献できる。
フォードは「CO2の活用はパリ協定の実現に沿った効果をあげることができる」と強調している。またフォードはCO2以外にも、多様な再生可能材料を自動車部品化する工夫を続けている。
たとえば、大豆から作った発泡フォームやココナッツの繊維をトランクの内張りにしたり、タイヤへのリサイクルタイヤの導入、リサイクルTシャツやジーパンの中古デニムなどの車内のカーペットへの転用などを実施している。
フォードのSenior Technical Leader of SustainabilityであるDebbie Mielewski氏は「われわれは石油由来のプラスチックやフォームの使用を減らすことで、環境への影響を積極的に減少させていく。CO2を材料に使う技術は、気候変動に大きな効果をもたらす。われわれは同技術の普及をリードしていく」と述べている。
http://www.novomer.com/co2-business-overview-0
https://media.ford.com/content/fordmedia/fna/us/en/news/2016/05/17/preserving-mother-earth-ford-first-automaker-captured-co2.html
http://corporate.ford.com/company.html