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安倍首相 パリ協定の承認案、今国会に提出へ。時期は明言せず。参院代表質問で答弁(各紙)

2016-09-29 19:13:49

abe6キャプチャ

 

 安部首相は29日の参院代表質問で、地球温暖化対策の新たな国際枠組みとなるパリ協定の批准について言及、「気候変動という国際社会の深刻な課題に最大限貢献していく」と述べ、今国会に承認案を提出する考えを示した。

 公明党の山口那津男代表への答弁。安倍首相は所信表明演説では、「地球儀を俯瞰する外交」と題した項で、世界が直面する困難な課題の一つとして、「地球温暖化」をあげたが、その一言だけで、パリ協定にも、日本の温室効果ガス削減目標についても、言及しなかった。

 

 この日の答弁で安部首相は、「(パリ協定は)史上初めて全ての国が参加する公平かつ実効的な枠組みだ。早期発効を重視している」と、初めて協定の発効を踏まえた政府の立場を説明した。さらに、「必要な準備、調整が整い次第、パリ協定(批准案)を今国会に提出し、迅速な締結に向け全力を尽くす」と語った。

 

 ただ、批准案の提出がいつごろになるのかについては明言しなかった。パリ協定の発効には、世界の温室効果ガス排出量の55%を占める国々が55カ国以上批准するという条件がついている。このうち、すでに批准国数は61カ国に達し、条件をクリアしており、排出量基準についても、47.79%に達し、これに12%の排出量を占める欧州連合(EU)が近く批准作業を公式に発表することから、10月中に基準を満たす見通しとなっている。

 

 このため、日本は、EUの前に批准しないと、発効が確定してから“後追い的”に批准するという状況になる恐れが出ている。環境団体などからは、出遅れることへの懸念の声が出ているが、問題は日程的に間に合うかどうかという点よりも、日本が削減目標を達成する明確な政策を打ち出せるかという点にある。この点では依然、不透明感が漂っている。