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中国政府 大気汚染対策のため、2030年までに総合的環境監視システム全土で整備。国民の健康管理促進で、平均寿命引き上げも目指す(RIEF)

2016-10-27 00:28:27

Chinaairpollutionキャプチャ

 

  中国政府は、毎年、冬期を中心に社会問題化する大気汚染による健康被害を総合的に管理するため、2030年までに「総合的環境監視システム」を中国全土で整備する方針を明らかにした。

 

 世界保健機関(WHO)の調査では、中国では、大気汚染が人々の健康に悪影響を与え、2012年の単年度だけで100万人が死亡している。特に北京を含む北部地域のスモッグは、ガンの罹患率や早産などの増加の原因になっているとされる。

 

 また大気汚染を引き起こす汚染物質は直接、住民への健康影響につながるだけではない。降雨によって土壌汚染、水質汚染を引き起こし、農作物への影響や健康被害のさらなる増大を引き起こしているとされる。

 

 このため中国政府は今回、「ヘルシー中国2030」計画を打ち出した。その中で、建設や騒音、大気汚染、土壌と水質の品質、そして地域環境などの環境要因を総合的に監視する「厳格な環境保護システム」を構築する。同システムでは、地域ごとの汚染リスクの高低がわかるほか、分析した環境情報の開示もする方針。

 

 新たな監視システムの導入と、汚染物質発生源への規制強化によって、2015年の平均寿命76.3歳を2030年までに79歳に引き上げることを目指す。同システムは、出生モニタリングシステムと連動することによって、男女の出生格差の解消にも役立つという。

 

 公衆衛生の改善を強化し、地方で生じている多様な病原の要因でもある飲料水を改善も進める。幼児死亡率、交通事故死、たばこやアルコール摂取量等の改善を進め、ガン克服率や慢性病による早死の抑制等も目指す。

 

 さらに国民の健康リスクを下げるため、2014年時点で3億6000万人のスポーツ人口を、2030年には約5割増の5億3000万人に引き上げる。加えて健康増進のため漢方薬の活用を促進するという。

 

 健康保険制度については、政府、企業、個人それぞれの負担がバランスする制度に改めることで、個人の健康費用支出を、2015年の3割近い(29.3%)割合から、25%に削減する計画を立てている。

http://news.trust.org/item/20161026075313-ntjsx/