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間伐材の搬出、チップ製造、発電を一貫工程とする国内初の木質バイオマス発電稼働。兵庫県朝来市で。関西電力が初のバイオマス専焼発電所建設。「兵庫方式」として全国に普及へ(RIEF)

2016-12-03 21:50:51

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  木質バイオマス発電の燃料製造から発電までを、一貫して行う官民協働事業が立ち上がった。兵庫県森林組合連合会と兵庫みどり公社、関西電力の3者が、兵庫県朝来市の生野工業団地で実現した。混ぜ物のない純粋な木質バイオマス事業として、「兵庫方式」の名で広めていくという。

 

 朝来市の豊かな森林に放置されている間伐材(バイオマスエネルギー材:be材)を搬出し、be材の効率的な乾燥、be材の燃料チップ製造のための供給センターの建設、そしてそのチップを原料とする関西電力初の木質バイオマス燃料専燃発電所の建設とつながる。1日に発電所が営業運転を開始し、「兵庫方式」が稼働した。

 

 兵庫県と地元の朝来市も、事業運営に必要な指導助言・協力を行ない、この「兵庫モデル」の広報活動を行う。官民協働で、未利用木材の搬出から発電までを一貫して行うバイオマス発電スキームは、国内初の取組みだ。

 

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 燃料チップを製造するbe材供給センターと、発電所はともに、生野工業団地の同一敷地に設置された。センターは製造したチップの貯蔵・品質管理も行うことから敷地面積は約2.8ha、木材貯蔵量は約2万t、チップ貯蔵能力は1時間当たり約30t、チップ貯蔵量は約600t、の各能力を持つ。

 

 関電グループによる朝来バイオマス発電所の発電出力は5,600kW、敷地面積は約0.7ha、売電電力量は約3,700万kWh(一般家庭約1万2,000世帯の年間電気使用量に相当)、年間燃料使用量はbe材燃料チップ約6.3万t。

 

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 CO2排出削減量は約1万8,000tと算定している。発電した電力は固定価格買い取り制度で関電本体が購入する。

 

 関電グループは、2030年までに50万kW程度の再生可能エネルギー電源を開発することを目標に、今後も引き続き、自治体をはじめとする地域と一体となって電源開発となる「兵庫方式」を各地で展開していく考えだ。

 

 今回の事業は、単に官民が共同作業をしたというだけではない。森林内に残されたままになっているbe材を効率的に活用するために、一連の工程の合理化を進めた。be材の流れを一連のサプライチェーンとしてとらえ、搬出方法や、燃料供給体制の仕組み、be材の効率的な乾燥手法、be材供給センターの運営・管理、そしてチップ専焼発電所の建設などで、先進性を打ち出した。

 

http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2016/1201_1j.html