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中部電力、新設の石炭火力発電所に、木質バイオマスの「ブラックペレット」を17%混焼。CO2排出量を年間90万㌧削減。石炭火力批判に対応(RIEF)

2017-03-01 15:04:57

Chub2キャプチャ

 

 中部電力は、愛知県武豊町に建設を予定している石炭火力発電所を、木質バイオマスの「ブラックペレット」の混焼発電型にすると公表した。混焼率は17%で、CO2排出量を石炭専焼よりも年間約90万㌧削減できるという。同電力がブラックペレットを導入するのは同発電所が初めてになる。

 

 

 武豊発電所は、1972年稼動の2~4号機の3機の火力発電所(重油・原油焚き)の老朽化に伴って、新たに1機で発電容量107万kWの大型の5号機を建設するリプレース計画。年間発電量約75億kWhで、CO2排出量は年間569万㌧と設定されていた。ただ、パリ協定の発効を受け、石炭火力発電所からのCO2排出量が問題視されていることから、木質バイオマスの「ブラックペレット」を混焼することで、発電効率を維持しながら、CO2排出量を削減することにした。

 

 ブラックペレットは、欧米で製造される加熱処理した木質ペレットの一種。防水性があり、従来の木質ペレットよりもエネルギー密度(容積当たりのエネルギー量)が高く、使用方法は石炭と変わらないといった利点がある。また欧米での生産体制が確立していることから、輸送コストも、従来の木質ペレットよりも3割ほど低いとも言われる。

 

 chubu1キャプチャ

 

 中部電力ではこれまで、愛知県碧南市にある碧南火力発電所で、木質チップを混焼した発電をしているが、ブラックペレット等の木質ペレットを導入するのは今回が初めてという。ブラックペレット燃料は年間50万㌧を輸入する。武豊火力でのバイオマス発電の電力量は年約12億KWhとなり、バイオマス専焼設備も含めて、日本のバイオマス発電としては国内最大規模になる。

 

 武豊火力のリプレース計画では、既存の3機合計よりも5号機は規模が大きいことから、CO2排出量が当初計画では約20%増加する見込みだった。このため環境NGO等から批判を受けていた。今回のブラックペレット混焼によって、ほぼ増加分を相殺できることになる。

 

 中部電力は2030年をめどに、中部地域の電力需要の20%強を、太陽光や水力発電などの再生可能エネルギー発電で充当する目標を立てている。2015年度時点の再生エネ比率は約14%。今回の木質バイオマスの採用で、再生エネ比率は1%ほど高まるとみられる。

 

https://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/3263305_21432.html

http://www.chuden.co.jp/resource/file/the_hyouka_20151015_01.pdf