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オランダのアクゾノーベル社など、欧州最大の水素製造工場建設へ。電解能力20MW。年間3000㌧の水素製造能力(RIEF)

2018-01-12 21:43:10

Akso1キャプチャ

 

  オランダのペイント・化学会社のAkzo Nobel 社と、ガス供給会社の Gasunie社は、欧州最大のグリーン水素製造工場を建設する、と発表した。太陽光や風力発電の余剰電力エネルギーを水素に転換して蓄電、安定したエネルギーとして活用する仕組み。20MWの電解能力を持ち、年間3000㌧の水素製造能力を持つ。



 再生可能エネルギーの発電エネルギーを水素に転換する工場は、オランダの北部Delfzijlに建設される予定。3000トンの製造水素は、水素を燃料とするバス300台を稼働させることができる。プロジェクトの最終決定は2019年に行われる予定。

 

 これまでのオランダでの最大の水電解システムは1MWの能力にとどまっている。計画では、20MWの以降、能力をアップして100MW規模に拡大する予定。AkzoNobelとGasunieの両社は、カーボン中立経済への移管に向けて、積極的な役割を果たすことを目指している。特に今回の工場建設で、課題となる電解質の高度化、水素ガスの輸送システム、エネルギー貯蔵システム等の分野で専門性を発揮する構えだ。

 

Akzoキャプチャ

 

 Gasunieの経営陣のUlco Vermeulen氏は「オランダのCO2削減目標を達成し、エネルギーシステムの移行に対応することは、非常に大きな挑戦でもある。その挑戦への答えは単なるビジョンではなく、直ちに行動することであり、協力関係を現実化することだ」と述べている。

 

 オランダはパリ協定で、2030年のCO2排出量削減目標を、49%(1990年比)としている。同国政府は目標達成を確実にするため、2030年に十分な水素エネルギーの活用を目指している。オランダで産業用に使用されている水素エネルギー量は80万㌧に及ぶ。しかしその大半は天然ガスから製造されている。

 

 これを再エネに切り替えることで、700万㌧のCO2削減につながる。また作成した水素を活用して化学物質の製造をグリーン化する「グリーン・ケミストリー」の土台を築く狙いもあるという。

 

https://www.akzonobel.com/for-media/media-releases-and-features/akzonobel-and-gasunie-looking-convert-water-green-hydrogen