HOME8.温暖化・気候変動 |国連気候変動事務局(UNFCCC) 2018年予算の「未納国」続出に頭を抱える。5カ国中4カ国が未納。日本もフランスも、ドイツも。公式に支払い拒否は米・トランプ政権(RIEF) |

国連気候変動事務局(UNFCCC) 2018年予算の「未納国」続出に頭を抱える。5カ国中4カ国が未納。日本もフランスも、ドイツも。公式に支払い拒否は米・トランプ政権(RIEF)

2018-01-29 14:30:20

Espinosaキャプチャ

 

 国連気候変動事務局(UNFCCC)は、各国がUNFCCCの活動を資金面からサポートする2018年の拠出金が、ほとんど集まっていないとして、緊急の声明を発表した。米国はトランプ政権がパリ協定からの離脱を表明しており、資金拠出も公式に拒否しているが、他の国々も5カ国中4カ国が未納というお粗末な状態だ。日本も未納組に入っている。

 

写真は、予算未納国の増大に頭を抱えるUNFCCCのエスピノーサ事務局長)

 

 UNFCCCの活動支援の資金拠出は、パリ協定において合意されている。拠出期限は毎年1月1日と定められており、すでにほぼ1ヶ月が経過しているが、気候変動枠組み条約に署名している197国のうち納付したのは31カ国にとどまっている。パリ協定に瀬を向けている米国は当然だろうが、実は、米国に代わって温暖化対策のリーダーシップをとることを宣言しているフランスや、中国、ドイツなども未納国。

 

 期限どおりの支払いを済ませたのは、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランド、南アフリカなどのほか、温暖化の進行で海面上昇の危機にさらされているツバル、バヌアツ、モーリシャス、フィジーなど。アジアではシンガポール、タイ、ベトナム、ブータンなど。

 

 2018 年~19年の予算は5700万ユーロ(約7100万㌦)で、パリ協定の合意を実行するための各種協議や活動に充当される。拠出金は国連の拠出金の仕組みに準じて、各国の富と国連への貢献度に応じて決められる。このため、米国がもっとも負担分が大きく、基本予算の21%の負担となる。フランスのマクロン大統領は昨年11月のドイツ・ボンでのCOP23において、米国の負担拒否分を欧州で肩代わりする姿勢を示した。だが、現時点では、肩代わり分どこか、フランス自体の拠出額も支払われていない。

 

 日本政府は国内での議論では一切、拠出金に触れておらず、各国の「未納グループ」の動きを見計らっている感じだ。

 

 事務局長のエスピノーサ氏は、未払い国への名指し非難は避け、「時間厳守でUNFCCCに貢献してくれた各国に感謝を表明したい。気候変動の影響は世界中で加速化している。したがって、国際コミュニティの対応も加速させ、各国経済のグリーン化と、気候変動の影響に対する強靭化をスケールアップさせる必要がある」と指摘、各国の協力と協調を呼びかけている。

 

https://cop23.unfccc.int/news/patricia-espinosa-thanks-countries-for-timely-support-to-un-climate-change