関東信越の生協連合会のコープデリが、茨木、栃木、群馬で、9月から電力小売り業進出。自前のFIT電力等を生協会員に安定・安心供給(RIEF)
2018-07-23 11:06:29
関東信越の7生協で構成するコープデリ連合会(本部=埼玉県さいたま市)は、傘下の加盟生協のうち、いばらきコープ(茨城県小美玉市、事業エリア=茨城県)、とちぎコープ(宇都宮市、同栃木県)、コープぐんま(群馬県桐生市、同群馬県)の3生協が9月から電力小売事業に参入する、と発表した。同連合会は、原子力発電に頼らない再生可能エネルギーを広げる政策推進を掲げており、生協活動での実践として電力事業に参入する。
(写真は、コープデリ連合会の物流センターに設置した太陽光発電パネル=千葉県野田市)
3生協は、いずれも「コープデリでんき」のブランドで、地域の生協会員に電力を供給する。供給に際して、提供するメニューは、FIT電機比率が約35%の「ベーシック電気メニュー」と、同約80%の「FIT電気メニュー」の2種類。「ベーシック」については、エネサーブ(大津市)から調達し、「FIT電気」については、地球クラブ(東京都渋谷区)が取り次いで供給する。
コープデリ連合会は、原発に頼らない電力を自前で供給するとの立場から、コープデリグル ープの物流センターや宅配センター等に太陽光発電施設を設置、また店舗の生ごみや森林の間伐材を活用したバイオマス発電、連合会の農産物の産直生産者との協力で、生産者 が設置する太陽光発電施設からの電力調達などの形でFIT電力を確保している。
これらの再エネ発電基盤の整備を踏まえて、2017年10月に初めて会員生協の「コープみらい」が、事業エリアを、東京、埼玉、千葉の3都県とする電気小売事業「コープデリでんき」を開始している。
料金は、40A契約で、1カ月電力使用量400kWhの場合、「ベーシック電気メニュー」が、月12万3636 円で従来型(東京電力エナジーパートナーの料金プラン従量電灯B・C契約の税込み電気料金)に比べて年間約1万128 円割安となる。「FIT電気メニュー」は月13万2300円で、同じく年間1464円割安。
金額的なメリットだけでなく、原発に頼らない電力を消費者が自ら選べるメニューを提供する点に意義があるともいえる。同連合会では、6月19日に「原子力に頼らない、再生可能エネルギーを広げる政策を求める」との提言を公表している。