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丸紅、日航など3社、2020年からの国際航空便の温暖化対策実施を睨んで、米国のバイオ・ジェット燃料会社に出資(RIEF)

2018-09-23 14:52:42

JAl2キャプチャ

 

 丸紅、日本航空、海外交通・都市開発事業支援機構の3社は、米国で一般廃棄物由来のバイオジェット燃料製造事業(Waste to Fuel事業)のフルクラム(Fulcrum BioEnergy Inc.)社に出資した。国際民間航空機関(ICAO)は2020年から国際線航空機の飛行中の温室効果ガス排出量を固定することで合意しており、同合意によってグローバルにバイオジェット燃料への需要拡大を見込んでいる。

 

  (写真は、フルクラム社が現在建設中の、Waste to Fuelのバイオ燃料工場の完成予想図)

 

 フルクラム社は、カリフォルニア州に拠点を置くスタートアップ企業。一般廃棄物からバイオジェット燃料を製造する技術を有しており、現在、米国ネバダ州において第一号プラントを建設中。2020年に稼動を始め、2021年より航空会社へのバイオジェット燃料供給を開始する予定。

 

 日航は、2020年からの温暖化対策用に、バイオジェット燃料の実用化に本格的に取り組み、「エコフライト(できるだけ燃料を節約する運航方式)」の実践にバイオ・ジェット燃料を活用していく方針。また中期経営計画ローリングプランのグランドデザインで掲げる「SDGsを始めとする社会の課題解決へ貢献」の実現にも資する、と位置付けている。

 

Jal3キャプチャ

 

 丸紅は18日に公表した「石炭火力発電事業及び再生可能エネルギー発電事業に関する取組み方針」によって、石炭火力発電事業の見直しとともに、再エネ事業等を重視する姿勢を打ち出している。今回のバイオジェット燃料事業への本格進出も、そうした事業見直しの具体化の一つといえる。http://rief-jp.org/ct10/82894

 

 また同社はフルクラム社への出資だけでなく、同社と共同開発に関わる契約も締結しているという。同社の米国内外におけるWaste to Fuel事業の開発にも参画して、国際航空市場でのCO2排出量削減ビジネスに参入する方針だ。

 

 国際民間航空機関(ICAO)は2016年10月、国際線の航空機が飛行中に排出する温室効果ガス排出量を、2020年の水準で維持する基準の導入で合意した。21年以降の増加分については排出枠の購入を各航空会社に義務づけることになる。この合意を守るため、各航空会社はジェット燃料を再生可能なバイオジェット燃料に切り替えたり、カーボン・クレジットを購入するなどの対策が必要になる。

 

 バイオジェット燃料は、化石燃料由来ではないジェット燃料で、化石燃料に比べライフサイクルでのCO2排出量が少ない。今回のフルクラム社が開発する一般廃棄物からの抽出のほかに、木質バイオマス、植物油、廃油、廃獣脂等を原料とする手法も広く存在する。

http://press.jal.co.jp/ja/release/201809/004884.html

https://www.marubeni.com/jp/news/2018/release/00040.html