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ルノー・日産・三菱自の3社連合、EUの「CAFE規制」強化に対応するため、CO2のクレジットを相互融通へ。フィアット・クライスラー・テスラ連合に次ぐ(各紙)

2020-02-20 12:27:14

LEAFキャプチャ

 

 各紙の報道によると、ルノー・日産自動車・三菱自動車の3社連合は2020年中にCO2の排出枠(クレジット)の融通を始めるという。欧州で自動車が排出するCO2量を削減する「CAFE規制」が強化されるため、同規制に対応するため、3社間でCO2削減と同等の価値を持つクレジットを融通する体制をとる。

 

 日本経済新聞が伝えた。EUのCAFE規制対応で、クレジットを相互融通する「共同プール」化は、昨年4月に、米イタリア連合のフィアット・クライスラー(FCA)がEV車専業の米テスラと連携した動きに次ぐものだ。https://rief-jp.org/ct4/88805

 

 EUのCAFE規制(Corporate Average Fuel Efficiency:企業別平均燃費基準)は、自動車メーカーに対して、企業全体の販売車両のCO2の排出量平均値を算出、20151年から1km走行当たりの排出量を130gに抑制する規制を実施している。

 

 同規制の基準が今年から約3割強化され、95gへの削減となる。達成できないメーカーは超過分に応じて、罰金が科せられる。一方で、超過達成したメーカーからクレジットを調達することでの埋め合わせも認められている。

 

 CO2排出量を削減するには、CO2排出量がゼロの電気自動車(EV)や燃料電池車(FHV)などの販売を増やせばいい。だがCAFE規制は販売自動車全体を対象とするので、EVを販売している日産でも2019年度のグローバル販売に占めるEV比率は2%弱とされる。クレジットを他社や市場から調達することも可能だが、クレジット価格の水準や変動等を考えると、3社間で融通し合うほうが望ましいと判断したとみられる。

 

 3社は規制に適合するため、EVの普及等を急いでいるが当面の販売では価格の安いガソリン車など従来型の車が過半を占め続ける見通しという。欧州では日産やルノーは、小型車や商用バンで電気自動車(EV)を展開している。三菱自は中・大型車のプラグインハイブリッド(PHV)に力を入れている。日産は2022年度には欧州市場で販売する車の半数をEV化する方針だ。

 

 トヨタはハイブリッド(HV)車の販売ウエイトが高いため、単体でも2020年規制をクリアできるとみられている。

 

 CAFE規制はEUだけでなく米カリフォルニア州等でも同様に導入されているほか、カナダ、中国等でも導入が進んでいる。日本でも2030年に向けて導入する方向とされる。

 

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200220&ng=DGKKZO55842490Z10C20A2TJ1000