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韓国輸出入銀行(EIBK)、韓国企業の海外でのグリーンとデジタルの両ニューディール事業活動を支援するため、1億8000万㌦規模のESGファンド立ち上げへ(RIEF)

2021-02-24 16:13:35

Koreabankキャプチャ

 

 韓国輸出入銀行(EIBK)は、海外で事業展開を目指す環境企業のグリーン投資等を支援するため、1億8000万㌦(約190億円)規模のESGファンドを立ち上げる。ファンド規模は今後拡大する方針で、EIBK自身も出資する。ワクチン接種の開始で、新型コロナウイルス感染拡大からの脱出の目途が見えてきたことを受け、海外市場でのグリーンニューディールとデジタルニューディールの両イニシアティブでの韓国企業の国際活動を推進することが狙いだ。

 

 EIBKによると、ファンドは近く立ち上げの予定で、規模は最小でも2000億ウォン(約1億8000万㌦)規模を想定している。ファンド規模は今後、拡大する方針で、EIBK自体、500億ウォン(約4500万㌦)の出資を予定している。

 

 ファンドの対象として、グリーンエネルギー(再生可能エネルギーや自然エネ等)のほか、5G、ヘルスケア等の7分野を列挙し、これらの分野の企業取引、投資、海外子会社の設置等に対して、EESGファンドから出資し、韓国企業のESG活動を支援する。

 

 現在、ファンドマネジャーを選定中。対象事業等への投資のESG評価については、外部のESG専門家による評価を受けて、投資に伴うSG関連の改善事項を明確し、客観性を担保するとしている。EU等ではグリーンニューディールが新たな成長市場として位置づけられているが、EIBKはそれに加えて、デジタルニューディールも韓国企業の国際戦略の主軸と位置付け、支援を強化する考えだ。

 

韓国の文在寅大統領は昨年7月、新型コロナウイルス感染拡大による危機を克服し、ポストコロナ時代の世界経済をリードするための国家発展戦略だとして「韓国版ニューディール(K・New Deal)」構想を発表している。

 

 同構想では、(1)追従型の経済から先導型の経済へ、(2)炭素依存経済から低炭素経済へ、(3)不平等社会から包容社会への発展を掲げ、2025年までに160兆ウォン(約14兆円、1ウォン=約0.089円)(政府予算7割と民間3割)を投じ、新たに190万人の雇用創出を目指す等を打ち出している。

 

 政策イニシアティブとしては、「社会安全網(セーフティーネット)の強化」を基盤に、デジタルインフラやビッグデータなどに関する産業を育成する「デジタルニューディール」と、気候変動に対応する「グリーンニューディール」を両軸として盛り込んでいる。

 

 
 EIBKはこのニューディール戦略に沿って、今後10年間に80兆ウォンのグローバルな投資計画を立てている。ファンドの支援手段としては、事業や投資への出資のほか、ローンの提供等、多様な金融手段を組み合わせていくとしている。

 

 EIBK総裁のBang Moon-kyu氏は「先進国経済によるESG関連投資は、新型コロナウイルス感染拡大や気候変動、汚染等が、グローバルキーワードとして拡大し続けており、サステナブルビジネス分野でのグローバル投資家の関心を高めている。韓国企業がグローバル市場でシェアを拡大し、持続可能な投資サイクルを構築するために、ESG価値はマネジメントの主要システムとして位置づけられねばならない」と指摘している。

http://www.koreaherald.com/view.php?ud=20210223000775