HOME5. 政策関連 |森林伐採の新規承認凍結法がようやく成立=インドネシア(Reuters) |

森林伐採の新規承認凍結法がようやく成立=インドネシア(Reuters)

2011-05-22 10:31:22

【ジャカルタ19日ロイター時事】インドネシアのユドヨノ大統領は19日、原生林を伐採する事業の新規承認を2年間凍結する法律に署名した。これはノルウェーと結んだ10億ドル規模の森林保護契約の一環で、温室効果ガスの排出量を削減したり、プランテーションの拡大を鈍らせたりするプロジェクトを促進する可能性がある。

 この法律は、原生林や沼地の木の伐採や土地の転換を求める事業の新規承認を凍結するよう命じており、パーム油、木材、それに資源関連の開発企業はこうした法律制定の動きを懸念していた。しかし、今回の法律は環境保護派にとってはとても十分なものとは言えない。

 凍結措置は今年1月1日から実施の予定だった。しかし、どの程度の森林を対象にするのかをめぐって各省間でもめたために遅れた。政府内の国家資本主義的な守旧派と、より国際的な感覚を持つ改革派の間の長年の対立が改めて浮き彫りになった形だ。

 法律の最終版の詳細は20日に公表される予定。ロイター通信がこれに先立ち入手した草案によると、既存の承認案件の延長、森林省の方針で承認された事業、それに沼地でない森林を二次的に伐採する場合や、荒廃地を転換する場合の承認については、今回の規制の対象外になる。

 また草案によれば、地熱発電のようなエネルギー供給開発事業も対象外となるほか、密生林のあるパプア州の巨大な食料プランテーション開発事業も対象外。同大統領がエネルギーと食料の安全保障が重要だとの見方を示しているからだ。