世界最大の資産運用会社ブラックロック、 MSCI開発の除外規定付きESGインデックスを採用した上場投資信託(ETF)6本運用へ。機関投資家等のESG運用要請に応える(RIEF)
2018-10-25 23:46:08
世界最大の運用資産規模を誇る米ブラックロックは、米金融サービスのMSCIが開発した除外規定付きの持続可能な上場投資信託(ETF)6種類の運用を開始した。ETFに備わる除外規定は、石炭、オイルサンド、核兵器等に関連する企業を投資対象から除外する内容。ブラックロックは、同ETFをETF運用のコアに据え、ESGベースETFの運用額を、現状の2500億㌦から10年以内に4000億㌦に拡大する方針。
ブラックロックは現在、世界最大の6兆4000億㌦の資産を運用中。ETFについては、低コストでポートフォリオを構築できる「iShares」と名付けたプラットフォームで展開中だ。
今回、MSCIの除外規定付きのESG Screened Indexesを活用したETFの採用(http://rief-jp.org/ct6/83961)を決めたのは、6月に実施した顧客対象の調査で、90%以上が核兵器や武器、国連グローバルコンパクト原則に抵触企業等を投資対象から除外することに賛同したことが大きい。
同調査では、79%の顧客はスクリーンベースの市場ベンチマークの採用を支持した。調査は、英仏独など欧州を中心とする機関投資家や富裕層ら約80以上野顧客を対象にした。石炭関連企業等については、事業収入の5%以上の企業を投資除外とすることを望んだ顧客は43%、収入の30%以下としたのは、36%と意見が割れた。
こうした顧客のニーズを踏まえて、ブラックロックはMSCIが今回開発した、除外規定付きのESGIndexを使ってETFを開発した。顧客の意見が分かれた石炭関連産業やタールサンド、タバコ等の収入基準については、ESG評価の動きが主流になりつつあることを踏まえ、より厳しめの5%とするMSCIの基準を採用した。
MSCIの新ESG indexsのクライテリアを採用することで、ETFの投資ユニバースの5%~13%は除外銘柄だったことになるという。BlackRockはESG・ETF市場を拡大するため、使用するIndexesについては他の機関の使用を認めるとしている。
ブラックロックのESG Indexes のグローバルヘッドのDeborah Yang氏は「機関投資家や富裕層の間で、ESGに抵触する企業を投資先から除外することへの関心が増大している。そうした需要に適合するには、MSCIのIndexesは使い勝手がいい」と述べている。
ブラックロックは、今回の除外規定付きのESG・ETFを含めて新たに24のETFを運用のラインナップに加えた。年末にまでには iSharesプラットフォームでのETF運用商品を800以上に増やす方針だ。ETF運用資産総額は1兆8000億㌦に達することになる。