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海草は森林よりも大量のCO2を吸収(Reuters)

2012-05-22 19:37:36

人工岩礁を調べる人(アネット・ロバートソンさん提供)(2012年5月16日、米フロリダ州キーラーゴ沖合)
人工岩礁を調べる人(アネット・ロバートソンさん提供)(2012年5月16日、米フロリダ州キーラーゴ沖合)


【ワシントン21日ロイター時事】英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス(電子版)に20日掲載された研究報告によると、世界の沿岸海域の海草は単位面積当たりで陸上の森林以上の二酸化炭素(CO2)を吸収していることが分かった。海草が気候変動問題解決に一役買う可能性がある。

研究をしたのは米フロリダ国際大学のジェームズ・フォアクリーン氏を中心とするチームで、これには米バージニア州、スペイン、オーストラリア、英国、デンマーク、ギリシャの科学者が参加した。

報告によれば、海草が地球全体の海に占める面積は0.2%に満たないが、平方キロメートル当たりのCO2吸収量は最大8万3000トンに上り、典型的な森林の吸収量3万トンの倍以上だ。地球上の海は重要なカーボンシンク(CO2吸収源)で、毎年海に吸収されるCO2の10%以上は海草が蓄えているという。

フォアクリーン氏は声明で、「海草にはその根や土壌にCO2をため続けることができるという特異な能力がある」とし、「数千年にわたってCO2をためている藻場の事例を発見した」と述べた。

海草はCO2を吸収するほかに、沈殿物を浄化したり、魚や甲殻類、その他の商業的に重要な魚介類の生息地を提供したりしている。海草は、油漏れによる汚染、船舶のスクリューなど人間の行為で打撃を受けることがある。

報告執筆者のうちの何人かは、沿岸海域の生態系の保護と修復によって気候変動の影響を軽減しようとするブルーカーボン運動に参加している。

 

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2012052200425