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世界の大気中のCO2平均濃度、2019年は観測史上最高の410.5ppm。今年はウイルス感染の影響で排出量は減るが、大気中濃度は引き続き増加見込み。世界気象機関が公表(RIEF)

2020-11-24 15:41:45

WMO003キャプチャ

 世界気象機関(WMO)は23日、2019年の大気中のCO2の世界平均濃度が観測史上最高の410.5ppmに達したと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大によって2020年のCO2排出量は減少が見込まれている。だが、これまでの累積排出量の影響が大きく、大気中濃度は引き続き上昇傾向が続くと予測している。

 WMOによると、19年のCO2の大気中濃度は前年比で2.6ppm上昇、過去10年平均の2.37ppm増を上回った。産業革命前からの濃度上昇は148%増となった。温室効果ガス全体では、1990年以降で45%増、このうちCO2は5分の4を占める。

大気中のCO2平均濃度の推移
大気中のCO2平均濃度の推移

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年のCO2排出量は前年比4.2~7.5%減と予想される。だが、現状の見通しでは、世界平均のCO2濃度を下げるまでには至らない。増加ペースが0.008~0.23ppmほど低下する程度と見込まれている。

 月別のCO2観測データでは、ハワイのマウナ・ロア観測所で今年9月に411.29ppmを記録している。昨年の同月データは408.54ppmだったから0.67%上昇だ。CO2以外の温室効果ガスのうち、メタンは前年比0.6%増の1877ppbとなり産業革命前からの濃度れベルは260%増だった。

 WMO事務局長のPetteri Taalas教授は「大気中のCO2はほぼ一世紀、海洋中のCO2はもっと長く滞留する。前回、地球の大気中のCO2濃度が上昇した300万年~500万年前は、気温上昇は現在より2~3℃高く、海面は10m~20m高かった。ただ、当時は現在のように77億人の人口は抱えていなかった」と指摘している。

 

https://public.wmo.int/en/media/press-release/carbon-dioxide-levels-continue-record-levels-despite-covid-19-lockdown