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世銀環境基金トップに石井氏 女性財務官僚で初(各紙)

2012-06-11 06:47:07

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財務省の石井菜穂子副財務官(53)が世界銀行グループの基金で地球環境の保全活動などに取り組む「地球環境ファシリティー(GEF)」の次期最高経営責任者(CEO)に決まった。財務省出身の女性官僚が国際機関トップとなるのは初めて。日本はGEFの第2位の資金拠出国でもあり、石井氏のCEO就任で途上国向けの環境支援を主導する。


 石井氏はインド、オランダの候補者とともにCEO選考に臨んでいた。GEFの選任審査委員会が石井氏を候補者の中で1位に選んだ。就任は8月になる見通し。石井菜穂子副財務官は、各国からの出資金をもとに「グローバル企業向けの開発支援を強化していきたい」と抱負を語った。


 この基金は「地球環境ファシリティー」(GEF)と呼ばれ、加盟する182カ国から集めた公的資金を使って各国の環境政策を後押ししている。石井氏は日本経済新聞の取材に「生物多様性や森林・河川保護といった環境保護の視点は大企業がビジネスをするうえで欠かせない。各国政府を通じ、民間に効果的に資金が流れるようにしたい」と強調した。




 欧州債務危機などのあおりで地球環境保護に必要な資金は国際的に大きく不足している。GEFも2年後に控えた次の増資で財務基盤を強化できるかが課題となる。





 石井氏は1981年に財務省(旧大蔵省)に入省。世界銀行や国際通貨基金(IMF)など国際機関での勤務経験が長く、国際開発政策に詳しい。2010年8月から副財務官を務めている。