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太陽光発電新規導入、10~12月中国トップに 独抜く (各紙)

2012-07-16 06:31:07

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各紙の報道によると、中国が2012年10~12月期に、太陽光発電システムの新規導入量でドイツを抜いて世界最大の市場になる見通しになった。低価格品で世界の太陽電池市場を席巻する中国メーカーはこれまで生産量の大半を輸出。急激な価格下落の一因となり、米中の通商摩擦にも発展した。中国の内需拡大は、中国メーカーの戦略だけでなく供給能力が需要を大幅に上回った状態にある世界の太陽電池の需給バランスにも影響を与えそうだ。


 米調査会社NPDソーラーバズによると、12年10~12月期の太陽光発電システムの新設容量はドイツの100万キロワットに対し、中国は225万4000キロワット。7~9月期まではドイツが中国を上回るが、10~12月期は四半期ベースで初めて逆転する見込み。累積設置量ではドイツは中国の約8倍と水をあけているが、中国の追い上げは急だ。




 電力の約7割を火力発電でまかなう中国は、政府が太陽光発電を原子力や風力と並ぶ代替エネルギーの柱と位置付け、導入を積極的に支援している。昨年7月には太陽光発電でつくった電気を固定価格で買い取る制度を導入。新疆ウイグル自治区など太陽光資源が豊富な西部地域ではメガソーラー(大規模太陽光発電所)プロジェクトが相次ぐ。国家エネルギー局は15年までに1500万キロワットを新たに導入することを検討している。




 これまで市場をけん引してきたドイツやイタリアなど欧州各国では財政難から導入支援策を見直す動きが広がっており、需要の伸びは鈍化する見通し。一方、市場が拡大している米国では5月、中国製の太陽電池が不当に安い価格で輸入されているとして、米商務省は最大で約250%の反ダンピング(不当廉売)課税の仮決定を下した。




 中国政府が積極的な内需拡大策を打ち出す背景には、欧州市場の伸び悩みや米国との摩擦拡大をにらんで、世界最大の生産能力を抱える中国の太陽電池産業を支援する狙いもあるとみられる。




 欧州太陽光発電産業協会(EPIA)によると、11年の世界の太陽光発電システムの導入量は2770万キロワットと、前年比で67%増と大きく伸びた。ただ、供給能力は世界全体で4000万キロワット程度とみられており、需要を大きく上回る状態が続いている。